データベース『えひめの記憶』
中山町誌
二、 石鳥居遺構
(B)石鳥居遺構 一基
県・有形文化財(石造美術)
所在地 伊予郡中山町中山午一七〇番地
所有者 永木三島神社
指定年月日 昭和四五年三月二七日
この「石鳥居遺構」は、永木三島神社にある貴重な文化財であり、中世の中山町の歴史を知る上で重要な資料でもある。
鳥居の右柱の下部だけが残っているので、一本鳥居と呼ばれているが、次の銘が刻書されている。
「 當國守護河野之通之御代也
謹奉立鳥居支
當所地頭合田通基大願主梅原沙弥道興
大工越智氏範近中山名主御百姓達各各敬白
トキニ應永玖年次歳壬午八月念二日 」
約六〇〇年前の建立であり、関西に二基しかない古い型の鳥居であると共に金石文上からも重要な文化財である。
この石鳥居のもう一方の石柱は、現在、長浜町住吉神社境内に手洗鉢として残されているといわれている。この手洗鉢は、材質・形状ともに永木三島神社の鳥居と同じである。その理由等については、歴史の項に記されている通りである。
ところで、鳥居の笠木の部分であるが、最近になって神社の境内からそれらしきものが発見され、これが、この鳥居の笠木ではないかと思われる。やがてその姿も再現されることになるであろう。