データベース『えひめの記憶』
中山町誌
四、 荒神信仰
竃(クド)の神様のことで、炊事場の奥に煙ですすだらけになって祀られた。火の神としてどの家庭でも崇められていた。
三宝荒神として崇められ、荒神松(黒松)を供える風習があった。正月には阿波(徳島県)の方から「三番叟」を使う人が訪れ、三宝荒神に小さな御幣を供え祝詞を奏上してから「人形舞」をした。
徳島県から来ていた三番叟
人形まわしの歌詞
西の宮の恵美寿三郎左衛門丞は
正月三日に安安とご誕生なされた
それの祝は何ぞと問うたら
酢漬に吸物、数の子の肴で
弁天さんのお酌で
つぎかけ、盛りかけ五六杯をひっかけた
目元ちらちら胸はだっくりしょうで
酔うたまぎれに沖合見れば
大鯛小鯛が目にさえとまり船をおし出し
金の釣竿、黄金の針で
あっち向いてはチャプリコ、此方向いてはチャプリコ
大鯛、小鯛を釣り上げまして
船に積み込み我が家へ帰り
沖は大漁、陸は満作で
天下泰平、五穀豊穣、家内安全
目出度く此の家は治まり給う
(奥岡半太郎口述)