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中山町誌

第三節 住生活

 本町の住居には、江戸時代のものはほとんど残っていないようである。ただ、中山町の旧家として有名な玉井家の自宅は、泉町の目貫通りにあり、約二三〇年前宝暦一一年(一七六一)に建てられ、その年に巡見使の宿となったとのことである。当時として如何にも豪荘な邸宅で、入母屋式の古風ゆかしい屋敷然として現存している。奥座敷・表座敷と数多くの部屋があり、すべて吟味された用材をもって堅牢かつ美麗に建造されている。また、宅地もおよそ四〇〇坪位あって、幽雅な庭園もあり、藩政時代、藩主も数度この宅に立寄り宿泊されたとのことである。数寄を凝らした什器・調度品も現存し、有名な銀屏風なども宝蔵されている。