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中山町誌

六、 搗臼とやぐら臼

 米・麦・たかきび・きび・粟などは精白しなければ食用にならないので、昔はこれらを搗くために、搗臼を利用した。搗臼は「地がら」と「台がら」の二種があり、地がらの方が古い型式である。台がらは石臼または木臼を地上に置き、組立やぐらを据えつけて搗くようにしたもので、庭土間・軒下・納屋にすえていた。
 やぐらを搗くのは大変な重労働であった。雨降りや雪の下、夜なべ仕事にやぐらを搗いた。主に「あらしこ」や「ねえや」の仕事分野であったが、時には子供達まで使われることもあった。米は幾つ踏んだら終わる、麦は幾つと数をかぞえながら子供達はやぐらを踏んだ。やぐら搗きには「けんど」、「み」、「わっぱ」などの用具が必要で、何回もけんどにかけて、みさびをしては搗き返したものである。