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中山町誌

二、 佐礼谷中学校

 名称 中山町立佐礼谷中学校
 位置 中山町大字佐礼谷甲八二五の一
 校訓 「気迫に満ち自主的に行動する」

 校  歌
           作詩 米田 清志
           作曲 山口 寛一

一、千歳の松の色も濃き かんのが原の丘の上に
  学びの道をひたすすむ 集いうるわしわが佐中

二、心はつねに階上の 峰にかがやく朝日かげ
  つとむる業は拝鷹の つきぬ流れにたとうべし

三、じん煙はるか下に見て 高き理想をいだきつつ
  文化の国の礎を いざや築かんもろともに
           (昭和二三年制定)

 1 歴代PTA会長

     <氏 名>     <年 度>
初 代 久保田 輝一郎 昭和二五年度~二九年度
二 代 久保田 一 雄 昭和三〇年度~三六年度
三 代 森 岡 數 榮 昭和三七年度~四一年度
四 代 小 田 宗 男 昭和四二年度~四三年度
五 代 野 口   明 昭和四四年度~四五年度
六 代 中 岡 光 芳 昭和四六年度~四七年度
七 代 山 中 善 男 昭和四八年度~四九年度
八 代 松 岡 利 延 昭和五〇年度~五三年度
九 代 上 岡 正 行 昭和五四年度~五五年度
一〇代 山 田 嘉 文 昭和五六年度~五七年度
一一代 出 本 秀 美 昭和五八年度~五九年度
一二代 石 河   泓 昭和六〇年度~六一年度
一三代 亀 田 洋 海 昭和六二年度~六三年度
一四代 松 浦 弘 正 平成元年度~二年度
一五代 宮 本 清 隆 平成三年度~

 2 佐礼谷中学校の発足と校舎建築

 新制中学校の発足に当たって校舎の建築は、大きな問題であった。当時、建築に関わった村会議員の一人は、次のような思い出を佐礼谷中学校創立二五周年記念誌として発行された「二十五年のあゆみ」に綴っている。

 「校舎建築の思い出」
                   坪之内・泉 勘三郎
 新制中学校開校以来、満二五年とのことである。思い出をたどって、建築当時のさまざまな問題があったことを書いてみよう。―中略―
 当時、私は村会議員の一人として関係した。当時の村長さんは故人となられた宮田嘉市氏であり、新制中学が発足したので、これに対する諸問題が村長より提出され、村長を中心に当時一六名であった議員一同で数回の議会を重ねた。審議の末、早晩やらねばならないことだったので新築することに踏み切ったのである。
 議会では、新築することに決定したが、事業をやるとなるとなかなか問題が多く横たわっていた。
 第一に場所の問題であった。今後は道路付近にやるのが理想であるというので竹之内とか、長成とか話題に上げられた。しかし、前者二ケ所とも上田ばかりである。第一交渉が出来るかどうか。代償の問題、造成、敷地の問題等多数の困難があり難色を示した。
 それで、現在の位置の再検討を加えてみる事になった。谷川を埋め立て運動場にし、西側の山を掘り取り埋め立ての材料にし、校舎六教室が取れるだけ山手に建築することにした。谷川の両岸は全部水田であった。農地は自作、小作の両方あったが、代替地を耕作してもらうことで理解していただき交渉も出来た。
 次は資金の問題であった。雨翅に村有林があった。―中略―これを売却して敷地造成や校舎の建築費に当てることに意見の一致をみた。そこで、議員総会で二、三度実態調査に、弁当持参で出かけて行ったのである。さて、村有林を売却するとなると、立木だけにするか、土地ごと売却するかの問題が起こった。終戦直後のことで、人心も動揺し混沌とした時期ではあり、村民奉仕の植林等考えられないということ、他に、杖立に二七、八ヘクタールの植林後間もない山林があるために土地ごと売却する事に、意見の一致をみたのである。―中略―
 終戦後間もない物資不足の時なので闇取引で資材の購入等もしなければならず、請負った河内氏(村会議員・製造業)は困難を極めた。敷地の整地については、当時は、現在のようにブルドーザーのような能率的なものはなく、つるはしや鍬で掘り取り、トロッコで運んで埋め立てたのである。積石は坪之内のヤゴノオクという所で取り、猫車にて学校の校庭まで運んだものであった。校舎も、六教室中、四教室は地元の大工さんがわが村の事業であるからといって犠牲的にやってくれた。―後略―(「佐礼谷中学校二五年のあゆみ」より抜粋)。
 この時、建築された中学校の校舎は、写真の中央部平屋部分六教室で、総工費一七一万円(校舎八五万円、工事費八六万円)であった。

 3 新校舎の建築

 現在の鉄筋三階建の新校舎は、昭和五四年八月に着工し、昭和五五年四月に落成した。
 教育後援会長をはじめ教育後援会理事、町会議員が、昭和五三年九月に町当局に校舎建築の陳情をし、これを受けて昭和五四年三月の町議会において建築が許可された。
 以後、この新校舎から平成五年度末までに六百五名の生徒が、学び卒業していった。
 本校は、現在、鉄筋の近代的な本館と、今の中学生の父母も学んだ年月を経た古い木造の建物とが一体となった、温かみのある独得の雰囲気を持っており、校舎周辺の山々や校舎の前を流れる拝鷹川の自然と相まって素晴らしい教育環境を形づくっている。
 なお、校舎建築に伴う写真等の資料は、中学校に保存されている。
 残された写真から、新校舎の建築の過程を追ってみよう。

 4 施設設備の充実

 新校舎建築後は、校門碑、国旗掲揚台、そして時代の進展に伴って、ランチルームの設置、パソコンの導入等が行われ施設整備の一層の充実が図られている。

 校門碑
 この校門碑は、昭和四六年PTAの奉仕作業によって、建立されたものである。佐礼谷で産出された石が用いられ、毎日、登校して来る生徒を見守り続けている。

 国旗掲揚台
 体育館の西側に建てられている二本のポールには、毎日生徒会役員によって国旗と校旗が掲揚されている。この両旗の掲揚と共に佐礼谷中学校の生徒の一日は始まり、両旗の降納と共に一日が終わる。向かって左のポールは創立三〇周年記念として、右のポールは創立四〇周年記念としてそれぞれの年度の卒業生から贈られたものである。

 佐礼谷中学校創立記念学校林四〇年記念文庫
 昭和二三年に新制中学校創立記念として植林された学校林を売却し、それを資金として昭和六二年、佐礼谷中学校創立記念学校林四〇年記念文庫が佐礼谷中学校図書室に設置されている。
 創立記念学校林は、伊予郡佐礼谷村字敷野第五合一七五番地一及び一五七番地の二の合計一町五反歩の土地であった。下刈り等の作業は、生徒や教職員で行っていた。
 地主の方との契約期間は四〇年であり、その期間が経過したために、話し合いの結果昭和六二年に立木の売却を行ったものである。売却金の使途については、町当局の配慮で、佐礼谷中学校記念備品整備補助金として交付を受けた。

 ランチルームの設置
 佐礼谷中学校の学校給食は、昭和三五年に開始されている。ランチルームは、昭和六三年度に、空き教室となっていた調理室を改造して設置した。
 ランチルーム設置に伴い、全校生徒と教職員が楽しい雰囲気の中で、共に食し、学校給食の目的を達成している。

 パソコンの導入
 本校においては、平成三年四月にパソコン一〇台が設置され、早速、六月の伊予地区校長会において数学の公開授業を行った。一〇台のパソコンは、ネットワークで結ばれている。コンピューターを利用した教育には、ソフトウェアの充実が大切であるが、本校は、筑波大学からソフトウェアの提供を受けている。全教科での利用が望まれるが現在のところ、技術・家庭科、数学科、理科、英語科での利用が多い。

 6 教育活動の推進

 (1) 研究活動
 ア 研究会・研究指定校について
 ①伊予地区内の研究会
 昭和二九年度に、伊予郡小中学校理科教育研究会が開かれたのをはじめとして、平成五年度までに、視聴覚研究会が二回、道徳研究会が三回、技術・家庭科の研究会が一回、国語科の研究会が一回、数学科の研究会が一回、音楽科の研究会が二回、特別活動の研究会が一回、学校給食の研究会が一回開かれ成果を挙げた。
 ②愛媛県及び文部省指定の研究会は次のとおりである。
平成元年度  総則体育推進指定校(愛媛県指定)
平成四年度  勤労生産学習推進校(文部省指定)
平成五年度  勤労生産学習推進校(文部省指定)
平成六年度  ふるさと交流学習推進指定校
                 (愛媛県指定)
 イ 文部省指定勤労生産学習研究推進について
 平成四・五年度の二年間にわたり、文部省より勤労生産学習研究推進校に指定された。研究主題を「意欲を高め、創造と感動を育む勤労生産学習」と定め、栽培活動を中心として研究を進めた。
 以前より継続していた全校生徒による菊作り及び、一年生のさつまいも作りを取り入れながら、小学校裏の畑を借り、全校生徒による野菜栽培に取り組んだ。また、二、三年生は、新たに花壇を作り花を育てる事にした。写真はその一例であるが、トマトの栽培をしているところである。

 (2) 生徒の活躍
 生徒は、様々な分野で活動し、以下のように輝かしい結果、素晴らしい足跡を残している。
 スポーツ活動における部活動については、生徒数が多かった時は、複数の部で活躍がみられたが、現在は、男女とも全員で、バレーボールを行っている。また、文化活動にも多方面で優れた成果を挙げている。

 ア スポーツ活動(伊予地区中学校体育大会及び県大会以上の記録)

昭和
二二 バレーボール女子       準優勝
二四 走り高跳び女子        優 勝
三〇 伊予地区青少年剣道大会   優 勝
三〇 バスケットボール男子     準優勝
三四 ソフトボール女子        優 勝
三五 ソフトボール女子        優 勝
三六 バレーボール女子       優 勝
三七 バレーボール女子       優 勝
三九 バレーボール男子       優 勝
四〇 バレーボール女子       準優勝
四〇 バレーボール男子       優 勝
四〇 ソフトボール女子        準優勝
四一 バレーボール女子       準優勝
四二 バレーボール男子       優 勝
四二 バレーボール女子       優 勝
四三 バレーボール男子       優 勝
四三 バレーボール女子       優 勝
四三 バレーボール女子       県大会ベスト4
四四 バレーボール男子       準優勝
四四 バレーボール女子       優 勝
四五 バレーボール男子       準優勝
四五 バレーボール女子       優 勝
四六 バレーボール男子       優 勝
四六 水泳女子            準優勝
五六 バレーボール女子       優 勝
五七 バレーボール男子       優 勝
五七 愛媛県バレーボール選手権大会県大会バレーボール男子 第三位
五八 バレーボール男子       優 勝
五九 バレーボール男子       準優勝
六〇 バレーボール男子       優 勝
平成
 三 愛媛県バレーボール選手権大会県大会バレーボール男子出場
 四 バレーボール女子       準優勝
 五 愛媛県バレーボール選手権新人県大会バレーボール男子 第三位
 六 愛媛県バレーボール選手権県大会バレーボール男子 第三位
   バレーボール男子                  優 勝

 イ 文化活動(伊予地区以上の記録)

昭和
二四 郡内中学校弁論大会        一 等
四一 伊予地区音楽会           優 秀
四二 伊予地区音楽会(合唱)      優 秀
五一 健康に関する作文(県保健体育課) 最優秀
五一 伊予地区弁論大会         最優秀
五一 火災予防思想普及作文      最優秀
五三 伊予地区弁論大会         最優秀
五四 伊予地区弁論大会         最優秀
五四 青少年非行防止作文 四国防犯協会連絡協議会長賞
五五 伊予地区弁論大会         最優秀
五六 伊予地区理科作品発表会     金 賞
五七 伊予地区弁論大会         最優秀
五八 伊予地区弁論大会         最優秀
五八 第二七回日本学生科学賞     県優秀
五八 伊予地区読書感想文コンクール  最優秀
五九 伊予地区弁論大会          最優秀
六一 伊予地区読書感想文コンクール  最優秀
六三 伊予地区弁論大会         最優秀
平成
 元 伊予地区弁論大会         最優秀
 三 第三四回日本学生科学賞     県優秀
 三 人権ポスター             県入選
 四 第三五回日本学生科学賞     県優秀
 四 人権ポスター             県入選
 四 えひめこども美術展         県入選
 五 人権ポスター             県入選
 五 第三六回日本学生科学賞     県優秀

 (3) 学校に対する受賞
昭和六二年度 学校安全功労学校賞  愛媛県地方安全会議
平成元年度  交通安全教育知事表彰 愛媛県知事
平成四年度  学校安全文部大臣表彰 文部大臣

 7 佐礼谷中学校の諸行事

  ―生徒会活動を中心として―

 クリーン運動
 この運動は、生徒会が郷土を美しくしようと始めた奉仕活動である。学校周辺の山の草刈り、学校の前を流れる拝鷹川の清掃を行う。

 朝の自主清掃
 これは、一年生と三年生によって行われている。一年生は、四月から六月の伊予地区中学校体育大会終了までを行い、その後は、三年生が卒業まで引き継ぐことになっている。この奉仕作業は、古くから続けられており、例えば、昭和四〇年代に在職した先生からも、在任当時、西の山から落ちて来る落葉を、早く登校しては掃き清めた生徒の話を聞くことがあり、今も同じ様な光景が見られるかとの質問を受けたことがある。よき伝統は今も続いている。

 敬老の日にちなむ慰問活動
 生徒会は、敬老の日の前に校区内に住む七〇歳以上のお年寄りに対して、慰問の葉書を贈っている。
 これは、敬老会の直後に行われる小・中学校合同の運動会の案内状も兼ねている。この葉書によるお年寄りへの慰問は、昭和四九年頃にもその記録が見られる。

 花作り、野菜作り
 本校では、以前より、花作りに取り組んでいるが、現在は、それぞれの学年に畑ないし花壇を与え、自主的な話し合いのもと、花と野菜の栽培を行っている。
 日頃の努力が認められて、平成五年には「小さな運動」愛媛県本部から、第二回愛媛「小さな親切運動」〝コスモスの花〟コンクールにおいて「フレッシュ賞」を受けた。

 獅子舞の伝承
 毎年、一〇月一七日の秋祭りに、村中部落にある三島神社で獅子舞が行われるが、平成元年度から、中学校一年生が獅子舞の伝承に取り組んでいる。運動会が終わると、前年度に習い覚えた二年生を中心に、三年生も加わって、一年生に教えていくこととなる。
 この獅子舞は、二月に行われる佐礼谷ふるさと祭りにも披露されている。

 PTA活動と子供たち
 佐礼谷地区では、教育に対する深い理解を得て、全戸加入の教育後援会が組織されている。
 ここでは、学級PTAの活動について平成四~六年度の一部を紹介する。
 ・親子ソフトバレーボール大会と懇談
 ・親子そば打ち体験と会食
 ・親子ボウリング大会と会食
 ・少年式記念親子餅搗き
等の活動を通して、子供の健全育成を図っている。

佐礼谷中学校 校章

佐礼谷中学校 校章


佐礼谷中学校校歌

佐礼谷中学校校歌


図2-8 現在の校舎配置図

図2-8 現在の校舎配置図


佐礼谷中学校年表 1

佐礼谷中学校年表 1


佐礼谷中学校年表 2

佐礼谷中学校年表 2


佐礼谷中学校年表 3

佐礼谷中学校年表 3


佐礼谷中学校年表 4

佐礼谷中学校年表 4


佐礼谷中学校年表 5

佐礼谷中学校年表 5


佐礼谷中学校年表 6

佐礼谷中学校年表 6