データベース『えひめの記憶』
中山町誌
三、 全国一斉学力調査をめぐる問題
児童生徒の学力の向上と指導法の改善や教育条件の整備などに役立てることをねらいとした学力調査が、昭和三一年(一九五六)九月、小・中・高校を対象にはじめて全国規模で実施された。
初年度の三一年度は、県下小・中・高校の中から何校かを抽出して実施されたが、昭和三六年度からはほとんどの学校でも実施されるようになった。
1 県教組、学力調査に反対
県下の教員は学力向上をめざして取り組んだ結果、年を追って成績は向上した。
昭和三八年度にはついに全国二位(一位香川)となった。この驚異的な向上の裏には不正と行き過ぎた準備教育があるとして、県教組は愛媛の教育を非難した。
2 自民党県連調査に乗り出す
自民党県連は、県教委・県教組・愛教研等に対し、テストに不正があったかどうか質問状を発したが、不正があったという回答はなかった。昭和三九年六月、自民党県連は県下全教員に対し、アンケート調査を実施した。その結果では、ごく一部を除くと正常な教育活動をゆがめるような準備教育はなかったようである。