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中山町誌

四、 寺子屋の行事

 寺子屋の行事は、五節句(一月七日七草がゆ、三月三日ひな祭、五月五日端午、七月七日七夕、九月九日菊節句)と年末年始の祝儀、天神講、文珠講が主なものであった。中でも七夕祭は広く行われていた。七夕祭の日には、七夕の歌を書いた短冊を笹につけ、師匠の家へ持って行った。そして寺子はその笹に餅や果物・野菜の類を供えて灯をつけて、夜を徹して遊んだそうである。
 天神講は、正月と六月の二四日か二五日に行われたもので、寺子屋内に天神様を祭り、いろいろなものを供えたり、大文字を書いて天神様に供えて書の上達を祈るとか、あるいは師匠の訓話を聞くなどしたようである。
 文珠講のあった地方も少なくないが、中山町の寺子屋でも、これが行われたと伝えられている。
 この行事は旧三月一三日の夜、数え年一三歳の子供が月の出に文珠様を念ずると知恵が授かるという伝説に因んで行われたといわれている。