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中山町誌

六、 林業生産物

 中山町における林業生産物は、素材と特用林産物であるしいだけ、たけのこなどで構成されている。かつて昭和三〇年代初期までは木炭の生産が盛んであったが燃料革命によって衰退していった。
 愛媛県市町村民所得統計でみると、昭和四一年における本町の町民総生産額は一一億六、六〇〇万円で、そのうち林業生産額は二億四〇〇万円。構成比は一七・五パーセントであった。それが平成二年になると、構成比は二・一パーセントに減少しており、町民総生産額が九・三倍増加しているのに林業生産額は一・一五倍の伸びにとどまっている。
 素材生産についてみると、昭和三〇年における本町の生産量は三万九五八立方メートルであったが、同四〇年には一万二、六五三立方メートルに激減している。
 素材生産用具のチェンソーの普及・架線技術の向上・林内作業車の開発等によって、生産資材費は減少したが、人件費の高騰と木材価格の長期低迷によって、素材生産量は昭和四二年を最高に年々減少し続けている。
 戦後植林した森林はようやく伐期を迎え、やがて国産材時代を迎えようとしており、生産・加工・流通における効率的な体制の整備が期待されるところである。

表2-9 素材伐採面積・生産量の推移

表2-9 素材伐採面積・生産量の推移


表2-10 町民総生産額に占める林業生産額

表2-10 町民総生産額に占める林業生産額