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中山町誌

三、 主要地方道と一般県道

 中山町を通過する主要地方道には、上浮穴郡久万町父二峰を起点とし、小田町・広田村を経て中山町出渕に至る久万中山線がある。この路線には、一般県道父二峰中山線であった当時、広田村高市から中山町栃谷の間に大佐礼隧道が開通し、中山町と広田村の関係を一段と緊密なものにした。町内の一般県道で特筆すべきは、一般県道中山伊予線である。昭和三〇年(一九五五)二月一日旧中山町と佐礼谷村の合併に伴い、中山・佐礼谷間の交通を円滑にし、産業の振興を図るためには、本路線の整備を進めることが最も緊要であった。そのため、町道竹之内線全長二、三三三mを幅員四・六mに拡張するよう合併直後の中山町建設計画の中に盛り込まれた。
 これを受けて、昭和三三年度に二九七万五、〇〇〇円の事業費で同線の改良工事を行っているが、その後一般県道に昇格した。
 またこの他一般県道では、双海町上灘の国道三七八号から粒野・犬寄・坪之内・中替地・雨翅を経て広田村に通ずる広田双海線、双海町大栄口から分かれ、高見を経て柿谷に至る中山双海線、馬木橋から栗田を経て砥部町へ通ずる中山砥部線、永木から内子町幟立に至る永木内子線、泉町から重藤を経て永木へ通じ、さらに内子町石畳へ至る串中山線、豊岡から漆を経て内子町大瀬で国道三七九号に至る池田中山線、野中で中山砥部線から分かれ大矢・小池を経て下長沢に至る野中長沢線、平村の森平橋から国道五六号と分かれ福住、内子町の横平を経て石畳に至る石畳中山線の八路線がある(図6―2参照)。
 これらの路線の概要を示すと、表6―2のとおりである。

 大佐礼隧道
 一般県道父二峰中山線(現在は、主要地方道久万中山線)には大佐礼峠があり、かつては自動車交通不能の区間であった。
 このため地元住民から隧道の建設が熱望され、昭和四六年(一九七一)一一月、中山町・広田村・小田町・久万町・双海町等の関係町村により、県道父二峰中山線整備促進期成同盟会(会長=森平前中山町長)が結成された。この会はその後、県・建設省などに建設促進陳情を行い、県ではこれを受けて、この区間を開通させるため大佐礼隧道貫通計画を発表、昭和五〇年度より着工、隧道延長六一五m、幅員六m、取付道路延長四四〇m、隧道建設費六億三、五〇〇万円、取付道路建設費二億一、一〇〇万円で、昭和五三年一〇月に完成した。
 この隧道完通により、それまで峠越えするのに徒歩で一時間近くかかっていたが、車でわずか一分間で結ばれるようになり、行政機関、各種団体及び住民の交流の便はもとより、広田村・小田町・久万町の住民が、JR伊予中山駅から鉄道を利用することが容易となり、その便益は計り知れないものがある。

表6-2 主要地方道・一般県道の状況

表6-2 主要地方道・一般県道の状況


図6-2 主要地方道・一般県道

図6-2 主要地方道・一般県道


図6-3 大佐礼隧道

図6-3 大佐礼隧道