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中山町誌

二、 古墳の種類

 古墳の種類にもいろいろある。外形の様子から分類すると、円墳・方墳・双円墳・双方墳・上円下方墳・前方後円墳・前方後方墳などがある。主な古墳は円墳であるが、地域や時代により、様々な形で営造されており極めて複雑である。
 現在県下で確認されている古墳には、円墳・方墳・双円墳・長円墳・前方後円墳・前方後方墳等がある。これらは墳墓の外形面からの観察であるが、遺骸を埋葬する内部の構造によってもいくつかに分類される。遺骸を埋葬する遺構(内部主体)には、粘土槨・土坑・埴輪棺・箱形石棺・竪穴式石室・横穴式石室等があり、槨内に木棺で直葬するものや、藁薦による舟形・割竹形などや陶棺によるもの、石造の家形石棺による埋葬などがある。
 古墳時代は、前期(四世紀頃)・中期(五世紀頃)・後期(六~七世紀中頃)の三期に分類されているが、さらに終末期(七世紀中頃~末頃)を加える研究成果もある。古墳の発生は三世紀末から四世紀初頭とみるのが一般的である。前述したように、これらは始皇帝に代表されるような高塚が中国から日本へ入ってきて、独自の発達をするようになったのだが、中でも日本独特の形として発展していったのが前方後円墳である。畿内王権の墳墓として発生し、その後各地に波及していったといわれるもので、大和朝廷の勢力の拡大を見るためにも重要な史料となっている。
 言い換えれば、各地方においてみられる前方後円墳は、大和政権との関係を知る上で、最大級の手懸りとなる古墳なのである。