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伊予市誌

2 地方選挙

 県議会議員
 一八七七(明治一〇)年五月「愛媛県会仮規則」が布達され本県特設の県会がはじまった。
 選挙人は小区内に、被選挙人は大区内に、共に地面家屋などの不動産を所有する戸主で、年齢は二〇歳以上の者であった。したがって女性には資格がなかった。不動産がなくまた戸主でなくてもその区内で人望があり、選挙人の十分の六以上から希望せられた候補者は、県令の許可を受けて議員になることができた。一八七八(明治一一)年七月地方三新法の一つとして府県会規則が制定され、全国一律で県会が開設された。

 明治時代
 一八八八(明治二一)年一二月三日に、政府は香川県設置の令を下した。これによって四国は四県となり、伊予の国一円は愛媛県とすることになった。愛媛県会は、議員定数七〇人から四六人に減員した。一八九二(明治二五)年三月に半数改選があり、この議会で副議長に旧郡中町の宮内治三郎(自民党)が当選した。このころから県政界においても自由・改進両党の政党色が濃厚になり、県議会の議長・副議長選挙でも政党的争いが強くなった。
 一八九七(明治三〇)年に府県制・郡制が施行せられ、郡の廃置分合があって、愛媛県は一市一二郡となった。一八九九(明治三二)年には県会議員定数が三五人に改められた。

 大正時代
 一九一九(大正八)年九月二五日は県議の改選があり、南伊予村出身の武知勇記(憲政)が当選した。当時は政友会の全盛時代であったが、やがて政友会の分裂があって県会にも大きな変動が起こり、県会の分野は政友、憲政、本党の三派となったため、各派とも議決権を有していなかった。憲政会愛媛支部では武知勇記が砥部町の相田梅太良とともに幹部であったので、伊予郡内は憲政会の勢力が強かった。

 昭和・平成時代
 一九二七(昭和二)年六月憲政会と政友本党が合同して民政党が結成され、党首に浜口雄幸が就任、国会での多数党が政権を担当する、政友会・民政党の二大政党時代となった。同年七月二七日民政党愛媛県支部が結成され、伊予郡は武知勇記を国会に送るなど民政党の地盤であった。
 戦後の一九四六(昭和二一)年一月発せられた公職追放の指定は同年一一月八日にその範囲が拡大され、翼賛会市町村支部長・翼賛壮年団長・在郷軍人会役員などを含むものとなった。これによって、武智惣五郎・相田梅太良ら追放該当議員二二人が辞表を提出した。
 一九四七(昭和二二)年四月三〇日、新しい地方自治下の県議会議員の選挙が執行された。その結果は愛媛民主党が三五人、社会党が七人、無所属が四人、自由党が一人、その他一人であったが、社会党が七議席を獲得したことは一般から注目された。この選挙で伊予郡から郡中町の沖喜予市(愛民)や松前町の白石春樹(愛民)らが当選した。
 一九五一(昭和二六)年四月三〇日、県知事選挙と同日に県議会議員選挙も実施されたが、五三議席をめざして一一二人が立候補した。
 一九五五(昭和三〇)年四月二三日に行われた県議会議員選挙は、伊予市が発足して第一回目の選挙であり沖喜予市が当選した。
 一九六七(昭和四二)年四月一五日に行われた県議選では、福本孝が当選した。
 一九九一(平成三)年四月七日に行われた県議選では、岡野達也が当選した。
 二〇〇三(平成一五)年四月一三日に行われた県議選では、泉圭一が当選した。
 伊予地区選出愛媛県議会議員の一覧表をかかげると次のとおりである。

 県知事
 知事は、地方長官として政府が任命する官選知事であったが、一九四七(昭和二二)年四月五日の新憲法発布に伴う公選知事として、有権者自らの意志によって選び民主的な地方自治への一歩を踏み出した。
 愛媛県における歴代公選知事は次のとおりである。

 市議会議員
 一八八八(明治二一)年公布の市制・町村制によって、市会議員は選挙権・被選挙権ともに二五歳以上の男子で、地租または二円以上の直接国税を納める者に制限されていた。また、納税額の多少によって有権者を区分する二等級選挙制を採用し、連記投票・半数改選・任期六年制であった。その後、一九二六(大正一五)年の改正により等級選挙は撤廃されて普通選挙となった。
 本市における年次別市会議員一覧表をかかげると、次のとおりである。

 市長
 一八八八(明治二一)年の市制・町村制により、町村長は、町村会議員により選挙され、府県知事の認可によって決定された。市長は市議会が推せんした三人の候補者のうちから、内務大臣が天皇の裁可を得て任命した。これは間接選挙制の一種であった。
 一九四七(昭和二二)年四月五日に日本民主化の前提として全県下の六市・二三二町村の首長選挙を行った。このときは全国どこへいってもてんやわんやの選挙の年であった。この騒ぎは四月三〇日の県議・市町村議選まで続いたから大変なことであった。
 一九五五(昭和三〇)年伊予市の初代市長に城戸豊吉が選任された。
 本市における市長は、第100表のとおりである。


伊予地区選出愛媛県議会議員一覧表 ①

伊予地区選出愛媛県議会議員一覧表 ①


伊予地区選出愛媛県議会議員一覧表 ②

伊予地区選出愛媛県議会議員一覧表 ②


歴代公選知事

歴代公選知事


年次別市会議員一覧表 ①

年次別市会議員一覧表 ①


年次別市会議員一覧表 ②

年次別市会議員一覧表 ②


年次別市会議員一覧表 ③

年次別市会議員一覧表 ③


年次別市会議員一覧表 ④

年次別市会議員一覧表 ④


年次別市会議員一覧表 ⑤

年次別市会議員一覧表 ⑤


第100表 歴代市長一覧表

第100表 歴代市長一覧表