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伊予市誌

2 新国民健康保険

 新国民健康保険法は、旧国民健康保険法を再検討して市町村の義務化とするとともに、これに対する国庫負担制度の改善を図り、新たに調整交付金制度を設けて国の責任を明確にし、財政の調整と給付内容を充実して、一九五九(昭和三四)年一月施行された。
 当市においても、一九六〇(昭和三五)年六月から被保険者全員五割保険給付として、国民健康保険事業を実施することになった。
 一九六三(昭和三八)年一〇月には、被保険者である世帯主の保険給付を七割とし、一九六八(昭和四三)年一月には被扶養者である世帯員も七割保険給付に引き上げ、一九七三(昭和四八)年の保険法改正においては全被保険者の七割給付と高額療養費制度の創設などが図られた。
 急激な高齢化社会の進展に伴い医療保険のゆるぎない基礎づくりとして、国民が適正な負担で公平に質の高い医療の確保を図ることを目的に、一九八三(昭和五八)年に老人保健法の制度、一九八四(昭和五九)年には退職医療制度の創設をみた。これによって他保険との財政調整や老人医療の一部有料化が打ち出された。また、国民健康保険事業の円滑な運営を図るために、保健施設事業としての健康づくりの推進が強く叫ばれるようになった。
 当市では、一九七九(昭和五四)年から保健施設事業にいち早く取り組み、これらの実績を踏まえて国民健康保険法に基づく事業として、昭和六〇年度を初年度とし三か年計画で厚生省からヘルスパイオニアタウン事業の指定を受けた。この事業では、同年九月に「健康都市宣言」を行い、市民総意のもとに健康づくりに取り組むという意思を明らかにした。健康まつり、健康大学をはじめ、スポーツ振興事業、健康診査事業、健康づくり組織の育成事業など、健康づくりに関する様々な事業を展開している。
 平成一〇年度には、はり・灸の施術料の助成を開始。また、平成一一年度には人間ドックに対する助成を開始し、市民の健康管理の一助となっている。平成一一年度からは健康管理データバンク事業を導入し、保健センターでの健康に関するデータ管理が充実しつつある。平成一二年度から介護保険制度が始まり、四〇歳から六四歳までの方は従来の国民健康保険税とあわせて保険料を納付することとなった。同年、低所得者の保険税負担の軽減措置を六割軽減から七割軽減に改善し、負担の軽減を図った。二〇〇二(平成一四)年一〇月から老人保健制度の改正による該当者年齢の引き上げ、また、二〇〇三(平成一五)年四月から健康保険被保険者の負担割合が二割から三割に引き上げられるなど、大きな医療制度改革が進められている。