データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

伊予市誌

四、名物・名産

 花かつお 
 大正時代の初めころ、郡中町で初めて製造されて以来、花かつおは伊予市を代表する特産品となっている。時代を経るにつれて新しい機械を導入し、規模を拡大するとともに同業会社もでき、現在では、彌満仁(創業一九一六(大正五)年四月)、ヤマキ(一九一七(大正六)年四月)、マルトモ(一九一八(大正七)年一一月)の三大工場で、花かつおの年産額が全国生産量の過半数を占める。近年、各種化学調味料が一段と進出する中で、自然の味で真の風味を持つ花かつおは特に重宝されている。

 みかん 
 伊予市では今から一〇〇年ほど前、唐川の吉沢武久や上野の玉井温次郎が、これまでの米作りだけでは農民の暮らしをよくすることはできないと考え、山を開墾してみかんを作ることを思い立った。当市の海洋性の気候と平坦な山地はみかんの栽培に最適で、現在、愛媛県は全国一のみかん生産県となっているが、伊予市のみかんは特に味が良く、全国に出荷されている。

 唐川びわ 
 一八九〇(明治二三)年ころから唐川地区で盛んに生産されるようになった「唐川びわ」は、品質・味ともに最高の品とされ全国にその名を知られている。また近年、乾燥させたびわの葉を茶葉のように用いた「びわ葉茶」が地元有志による研究会によって商品化された。すっきりとした飲みロが好評で、健康志向ともあいまって需要が高まりつつある。

 チリメン 
 伊予のチリメンは、瀬戸内海沿岸でとれたカタクチイワシの稚魚で、湯におとしそのまま食べると大変美味で、これはこの地方でないと味わえないものである。また、これを乾燥させたものは「伊予のチリメンいりこ」として全国に出荷されている。