データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

伊予市誌

三、行事

 谷上山の二月入り 
 毎年旧暦の二月一日は「谷上山の二月入り」といって、宝珠寺の縁日であった。現在は新暦三月最初の日曜日と定め、「三月入り」とも呼ばれている。この日、寺では五穀豊穣を祈る大法要が行われ、様々なイベントが開催される。近郊の農家はもちろん遠方からも大勢の参拝客が集まり、山はとても賑やかな一日となる。戦前はもっと盛んで、山道に長蛇の列ができたと言われている。

 稲荷神社の初午祭 
 旧暦二月の最初の午の日は、稲荷大神が初めて稲荷山三が峯に鎮座した日を祝う日で、稲荷さんの縁日である。この日に参ると福が受けられるというので、昔から「福まいり」と言われていた。
 当神社の初午祭は古来有名で、鉄道やバスのない時代は遠くから何十里も歩いて参拝に来ていた。当日は、餅まきや様々な催し物が行われ、今も県下各地から参拝する人が多く、一日中賑わっている。
 また、七月二〇日は「土用干し祭」といって、宝物の虫干し、輪越しの悪病を払う行事が行われる。

 五色姫復活祭 
 五色浜には哀しい伝説がある。平安の昔、屋島の戦いに敗れた平家一門の五人の姫がこの浜に漂着したが、世をはかなんで海に身を投げ五色の石に化したという伝説である。この伝説にちなんで、一九八九(平成元)年より三月第四日曜日に五色姫復活祭を開催している。当日は、五色姫と女性神輿のパレードで盛り上がる。

 いよし花まつり 
 花と緑のまちづくり、地域特産物の生産振興と消費の拡大を進めるため、一九八三(昭和五八)年から開催されているもので、現在は、三月下旬ごろの二日間、伊予市民体育館で行われている。当日は、花きや庭木、盆栽をけじめ、農産物や加工品の展示・即売が行われ、花と緑を買い求める多くの人々が市内外から訪れる。

 さくらまつり 
 一九八七(昭和六二)年より行われているもので、県立自然公園に所在する谷上山を中心に、桜の季節に開催され、民俗芸能の披露などのイベントで賑わっている。

 豊漁祭(たたき込み)
 毎年五月五日に、大漁を祈って約五〇隻の漁船が大漁旗をなびかせてパレードを行う勇壮な海の祭りが行われる。

 唐川びわまつり 
 六月下旬から七月上旬の日曜日に、唐川びわで有名な市内唐川地区でびわの収穫を祝って開催される祭りである。当日は、びわの即売やびわ葉茶などの販売が行われ、県内各地から訪れた多くの客で賑わうほか、口に含んだびわの種をより遠くまで飛ばす「びわの種飛ばし大会」などの楽しいイベントが行われる。

 五色姫海浜公園サマーフェスティバル 
 七月初旬ごろ、五色浜公園の五色浜プール、ウェルサンピア伊予(愛媛厚生年金休暇センター)のジャンボプールなどでプール開き、五色姫海浜公園で海開きが行われて、夏は真っ盛りとなる。
 そして、七月の海の日を中心にして行われるのが、五色姫海浜公園サマーフェスティバルである(一九九六(平成八)年より開催)。メインイベントである「ビーチバレーフェスティバINいよし」では、全国各地から参加したビーチバレー愛好者によるレベルの高い熱戦や、初心者、家族による和気あいあいとした好試合が繰り広げられ、ビーチバレーのメッカとしての盛り上がりを見せる。このほかにも、釣り大会やあさりの潮干狩り、お楽しみ抽選会が開かれ、多くの観光客が浜辺に集う。

 住吉まつり 
 毎年、七月二八、二九日の二日間は五色浜の住吉神社の夏祭りにあわせて住吉まつりが盛大に開催される。二八日には「伊予おどり」に合わせ、総勢約二、〇〇〇人の市民が商店街を踊り歩くパレードがある。この日には、商店街の所々にいろいろ工夫された「造り物」が展示されて、道行く人の楽しみの一つともなっており、商店街では夜店も立ち並ぶ。二九日は五色浜公園を中心にさまざまなイベントが催され、夜には伊予港の花火大会でクライマックスを迎える。
 住吉まつりのパレードを盛り上げようと、一九九九(平成一一)年に「伊予おどり」が発表された。「新伊豫市音頭」(一九七七(昭和五二)年制作)が時代の流れとともに曲調が古くなり、踊りもマンネリ化するなどして、パレードの参加者数が減少してきたため見直しをしたものである。新しい「伊予おどり」は、〝踊って楽しい、見て楽しい〟をテーマにした、テンポのある親しみやすい曲調に仕上げられた。これまでの輪踊り(盆踊り)風とは違う、リズム感を主体としたパレード音頭で、振り付けのアレンジもしやすくなり、審査項目に「アレンジ賞」や「ハッスル賞」などが設けられ、住吉まつりイベントの華となっている。

 五色浜のいもたき 
 九月一日から三〇日まで、五色姫海浜公園で行われる秋の名物行事のひとつである。いもたきとは鶏肉のスープでイモや野菜などを煮込んだ鍋料理で、浜に座り大勢で鍋を囲んでの楽しい宴会となる。特に夕焼けの時刻や仲秋の名月のころは、ムードも最高で人気がある。

 秋まつり 
 毎年一〇月中旬は秋の地方祭である。伊豫稲荷神社や伊豫岡八幡宮などの各神社から神輿が繰り出し、民俗芸能の獅子舞が市内各地で披露される。