データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛県史 学問・宗教(昭和60年3月31日発行)

一 国学の成立

 国学は江戸時代中期、学問興隆の気運の中で生まれ、日本古代の歴史や典籍、信仰などを研究して、日本固有の精神を知りその復活を唱える学問。言い換えれば当時の学問・思想の風潮に反対し、時勢を打開しようとする気運が起こり、その拠りどころを古代精神に求めたものとも言える。江戸時代は古学・皇朝学・本教学などと称されたが、明治維新後は一般に国学と呼ぶようになった。
 この学問は復古主義・国粋主義・尊王思想を強く主張し、外来思想と対決しようとする気風を以て一貫している。これは単なる学問・思想ではなく意欲的・実践的で、ついに王政復古の維新政治として実を結んだ。