データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛県史 教 育(昭和61年3月31日発行)

2 高等学校における衛生看護科の発足

 昭和三九年四月、神奈川県では、女子の職業教育の一環として、衛生看護に関する学科を置く単独の公立女子高等学校(神奈川県立二俣川高等学校)を開設した。これが、わが国の高等学校における衛生看護科の第一号であり、そして、准看護婦養成の高等学校として出発した。
 高等学校看護科設置の促進は、昭和三五年ごろから医療技術の高度化と医療需要の拡大に伴って、看護職員の確保と資質の向上を図ろうとする医療行政上の要請によるものだが、一面、高校や大学への進学率の上昇によって、各種学校等の准看護婦養成所は中学校からの入学志望者の激減という実態もあった。なお、従来の各種学校が専門的技能教育の幅の狭い傾向に対して、高等学校看護科は社会的教養とともに女子として家庭に必要な衛生看護に関する知識を習得させ、併せて職業人として専門的知識、技術を備えた人材育成を目指すものである。