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愛媛県史 社会経済4 商 工(昭和62年3月31日発行)

五 松山・松前地区工業用水道事業

 松山・松前地区工業用水道事業は、前述したように、農林省において建設された上浮穴郡面河村の面河ダムに、貯留の流水を利用して松山・松前地区の臨海工業地帯に供給するため、灌漑・発電との三者共同による道前道後水利総合開発事業の一環として、昭和三四年度から国庫補助事業として建設に着手し、昭和三九年度に完成した。これにより、帝人株式会社松山工場(六万五、〇〇〇立方メートル/日)、東レ株式会社愛媛工場(四万一、〇〇〇立方メートル/日)に対し同年四月一日より一部給水 (七万三、〇〇〇立方メートル/日)を開始し、四〇年(一九六五)四月から計画給水量一〇万六、〇〇〇立方メートル/日全量の給水を実施している(表用2―10・図用2―8)。
 この施設の概要は、中山川逆調整池から道後平野に分水する農業用水との、二者共同施設である道後北部幹線用水路の末端付近、松山市畑寺町地点で分水し、自然流下により取り入れた原水を浄水場に送り、薬品沈澱したのも延長約一〇キロメートルの送水管をもって再び自然流下により供給している。

表用2-10 松山・松前地区工業用水道事業概要

表用2-10 松山・松前地区工業用水道事業概要


図用2-8 松山松前地区工業用水道事業概要図

図用2-8 松山松前地区工業用水道事業概要図