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愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)

二 COD負荷量の削減対策と水質・底質の推移


 COD汚濁負荷量

 昭和四七年における本県海域に流入する一日当たりCOD汚濁負荷量(化学的酸素要求量)は産業排水で一二四t、生活排水で一八tの計一四二tであった。CODについては前述の瀬戸内海保全臨時措置法が昭和四八年一一月に施行されたので、これにより県条例による上乗せ排水基準を設定し、事業場からの排水をきびしく規制したほか工業立地の集中している東予地域で「公害防止計画」を策定実行のうえ、五一年一〇月末日までに産業排水の汚染負荷量を五か年計画によって順次削減し、これを八〇tにまで減少させることとなった。そして目標達成年の五一年度の調査では五七・一tとなり、達成率一二八・六%にまで削減されたのである。
 次に水質であるが、水産試験場が燧灘で年四回(五月、八月、一一月、二月)実施している浅海定線調査結果の昭和四九年度と五七年度の八月分を表8-5、表8-6に示したが、これを日本水産資源保護協会が昭和四七年三月に定めた「水産環境水質基準」にあてはめてみるとCODについては伊予三島、川之江沖はよくなってきたが、西条、波方沖は若干悪くなっており、P(燐)については三島・川之江・新居浜沖がやや多く、西条沖はよい。N(窒素)については全般によくなってきている。
 次に宇和海の養殖漁場である主な湾内の水質については愛媛県が専門家による「宇和海養殖漁業基本調査委員会」を設置してその調査結果を昭和四九年五月に「宇和海養殖業基本調査報告書」で発表しているが、このうちCODについてみると図8―3のとおりであり、昭和四七年~四八年当時すでに宇和島湾では国の水質基準に照らしてもC類型あるいはそれ以上に悪化しているので抜本策が必要となっている。
 吉田湾はおおむね良好であるが六月下旬ころ赤潮に近い状態を呈するときに問題があるとし、三瓶湾・遊子湾は吉田湾よりも水質状態が悪く、過密養殖の影響が指摘されている。
 次に底質であるが、宇和島湾は非常に悪化しており、吉田湾・遊子湾・御荘湾については良好なところもあれば、悪化の進んだところもみられるとしている。そして今後底質を良好に保持することが生産力維持の基本であることを指摘している。
 浅海養殖業が一段と伸長した昭和五七年現在の宇和島市遊子・三浦地先海域の水質は表8-7のとおりCODについては一部を除き比較的よいが、SS(浮遊物)については五月・七月にかなり多い値を示し、海域の濁りが進んでおり今後給餌方法などを研究する必要にせまられている。

表8-4 COD汚濁負荷量削減計画

表8-4 COD汚濁負荷量削減計画


図8-1 浅海定線調査(燧灘、斉灘)定点図

図8-1 浅海定線調査(燧灘、斉灘)定点図


図8-2 沿岸定線調査(豊後水道、伊予灘)定点図

図8-2 沿岸定線調査(豊後水道、伊予灘)定点図


表8-5 燧灘海域(昭和49年8月)

表8-5 燧灘海域(昭和49年8月)


表8-6 燧灘海域(昭和57年8月)

表8-6 燧灘海域(昭和57年8月)


図8-3 湾内CODの季節変化

図8-3 湾内CODの季節変化


表8-7 昭和57年度遊子、三浦養殖漁場の水質

表8-7 昭和57年度遊子、三浦養殖漁場の水質


図8-4 水質底質調査定点

図8-4 水質底質調査定点