データベース『えひめの記憶』
愛媛県史 社会経済2 農林水産(昭和60年3月31日発行)
第二章 愛媛県の主要林業地
県下の主要林業地を詳述する前に、本県の森林資源の概要を述べる。
(1) 森林面積及び蓄積
森林面積は本県総面積五六万六、九九二haの七一%に当たる四〇万一、一二七ha、そのうち八五%が私有林で占められ、県営、市町村林五%、国有林一〇%となっている。森林蓄積は四、八一二万立法メートルで年々増加の傾向を示している(表2ー1参照)。
(2) 樹種別面積及び蓄積
民有林における樹種別構成をみると、面積においては針葉樹が六九%を占め、広葉樹は二七%となっている。また針葉樹の中では、スギが四四%で最も多く、ヒノキ三九%、マツ一七%の順序になっている。
蓄積は針葉樹が八五%と大半を占めている。スギは全県下に分布しているが、特に上浮穴郡一帯、加茂川流域及び肱川流域に多く、スギの小丸太生産を主体とした新興林業地になりつつある。
ヒノキも、スギと同様、全県下広く植林されているが、銅山川流域、宇和町一帯のヒノキ材は良質材として有名である(表2―2参照)。
(3) 民有林の齢級別面積
民有林は幼齢林が多く、針葉樹においては四三%を二〇年生以下が占めている(表2―3)。