データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛県史 社会経済1 農林水産(昭和61年1月31日発行)

三 家畜登録


 登録事業の歩み

 明治一七年には馬牛の改良増殖をはかるには、その血統を明らかにすることが要点だとして、牛馬籍法を発布すべきことが指摘されており、同二二年には農商務省の第三課(畜産獣医関係)で牛馬籍に関する事項を扱うべく定められているが、これが一般に普及実施されるようになったのは明治三三年の産牛馬組合法の制定によって相次いで設立された産牛馬組合の多くが、その事業として牛馬籍の整理を行うに至ってからである。
 しかし意の如く行われない地方も多く、政府においても、これが制度化により能力および血統の登録の実施を促すべく調査、審議も行われたが制度化をみなかった。
 大正期になって四年の畜産組合法の制定で組合が強化され、あるいは乳用牛の先行に刺激されて、優良牛馬の選択保留的内容のもので犢籍などの整理の域を出ないものであった。
 しかし大正九年から昭和七年までの一二年間に和牛では補助牛登録をみたのは全国で僅か七七八頭にすぎなかった。
 こうした状態で本県では昭和一四年に至り初めて愛媛県畜産組合連合会役肉用牛登録規程(『資料編社会経済上』二九六頁)が制定されたのである。
 昭和一八年農業団体法により県畜連から県農業会に登録事業が継承されることになった。
 その後農業会解散により畜連が再び継承することになるが、二六年に県家畜登録協会(任意団体)を設立し中央登録団体の県支部業務を総括した。
 昭和三六年四月県経済連と県畜連の統合に際し、同年五月一日愛媛県家畜改良協会(任意団体)を設立し、既存の登録業務を担当実施することになった。しかし業務再編成のため、四〇年四月に乳用牛登録業務は日本ホルスタイン登録協会愛媛県支部として県酪連に移管することになった。最近における家畜別登録頭数は次の図3-2表3-4のとおりである。
 なお近年になり県内の一部に日本あか牛の繁殖牛が飼育され登録の要望が強くなったので、五九年七月一日、日本あか牛登録協会県支部としての業務も併せ開始することにした。
 また豚については近年交雑母豚の増加定着するに伴いF1(一代雑種)子豚の血統証明を重点的に実施している。



図3-2 家畜別登録頭数の推移

図3-2 家畜別登録頭数の推移


表3-4 家畜別登録頭数

表3-4 家畜別登録頭数