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愛媛県史 社会経済1 農林水産(昭和61年1月31日発行)

二 果樹組織の再生


 果樹専門農協発生

 自由になった果樹の生産販売組織の再建が企図されてゆくうえで、その基盤となったのは、経済統制の国家権力を代行した農業会の下部において、実質的な集出荷機能を果たしていた任意の果樹集団であり、果物同業組合時代、栽培農家のよりどころとして、生産・販売に活動した共同選果組合であった。それが改めて自らの意志による組織を形成することになって、県下各地に果樹の専門農協が設立された。これらの専門農協が、愛媛県青果農業協同組合連合会(青果連)を創設し、戦後における本県果樹復興の中心的役割を果たすことになったのである。(表5-1)

 果樹研究同志会の活動

 昭和二二年一〇月「愛媛県果樹園芸研究青年同志会」(愛媛県果樹研究同志会と改称)が結成された。県下の若い果樹栽培家の啓発研究組織として、学理の究明、技術の向上、経営の合理化を掲げた実践活動は、広く県内外の共感を呼び、全国組織の結成に発展して現在に及んでいる。その活動は、機関誌「果樹園芸」誌の発刊をはじめ、果樹品評会、果樹研究発表会の開催、果樹中堅青年養成講座開設など多彩なものがあり、更に果樹政策の実現に対する農政活動にも参画挺身するなど、荒廃した戦後の果樹復興に果たした役割は特筆に値するものであった。



表5-1 愛媛県における青果農協の組織展開

表5-1 愛媛県における青果農協の組織展開