データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛県史 地誌Ⅱ(東予西部)(昭和61年12月31日発行)

第一節 東予西部の区域

 東予の地域区分

 東予は中予・南予に対応する用語であり、愛媛県の北東部に位置し、燧灘および斎灘に面する地方(陸地部)と島方よりなる。地方はほぼ東予新産都市に指定された区域で、愛媛県として最も活気のある沿海地域である。
 愛媛県は行政上、広域開発計画として生活経済圏を次の六地区に区分している。①宇摩、②新居浜西条、③今治、④松山、⑤八幡浜大洲、⑥宇和島生活経済圏である。
 本巻は東予を二つに分け、東予西部編として今治生活経済圏を取り上げた。東予東部編は宇摩生活経済圏と、新居浜西条圏を当てた。東予市・周桑郡を、東予西部編に入れる案もあったが、行政区画市町村数をみると、西部の今治経済生活圏の一市一〇町五村に対して、周桑以東は、五市三町二村で、今治市・越智郡だけで東予西部編は充分、釣り合うからである。
 愛媛県教育委員会発行(昭和五四年)の「えひめのふるさとこみち」も東予編その一、その二を、偶然本巻と同じように区分している。道前平野(周桑・西条)を周桑分と西条分に分割することは、地理的に不自然である。
 半井梧菴著の『愛媛面影』は五巻よりなる。巻一は宇摩・新居・周布・桑村の四郡、巻二は越智・野間の二郡、巻三は風早・和気・温泉の三郡、巻四は久米・伊予・浮穴・喜多の四郡、巻五は宇和郡を当てている。今の今治市と越智郡が巻二におさめられており、ウェイトの高いのは、著者の出身地のためもあり、項目も多い。