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愛媛県史 地誌Ⅱ(東予東部)(昭和63年2月29日発行)

四 多喜浜塩田の盛衰

 多喜浜塩田については、天保一三年発行の『西条誌』、昭和三一年の香川県愛媛県塩業組合発行の『沿革史資料』児玉洋一編、昭和四○年の天野元敬編『多喜浜塩田史』、昭和四二年の岡光夫の研究「入浜における塩業経営」新生社発行、日本塩業大系の「特論地理」(昭和五一年)、矢野益治の論文「天野喜四郎等六人衆」(『郷土史談』一二八~一三五号)など研究報告は少なくない。しかし多喜浜塩田の年表や、塩業整備で廃止になった当時の塩田地主、塩田跡の土地利用については今まで研究報告が見られない。
 表4-9は昭和三四年の塩業整備前の昭和二九年四月現在の専売公社の資料である。塩田の面積は大小あり、広いので二町歩、狭いので一町歩で、平均一町五反である。東浜は二町歩以上が一浜に対して、北浜は二町歩以上が多い。多喜浜の塩田地主は地元の人が多いのに対して、伯方塩田は村外の地主が多かった。波止浜の塩田地主はよくまとまり波止浜興産㈱として発展している。
 図4-7は多喜浜塩田の名称を示す図であり、図4-8は最近の塩田跡に立地した工場を示す図である。
 表4-10は多喜浜塩田の開発過程を示す年表である。



表4-9 多喜浜塩田の浜名と所有者名

表4-9 多喜浜塩田の浜名と所有者名


図4-7 多喜浜の塩田名(A~H)

図4-7 多喜浜の塩田名(A~H)

A多浜B古浜C西浜D東浜E北浜F沖浜G三喜浜H黒島臨海埋立地

図4-8 新居浜市東部工業用地企業分譲状況

図4-8 新居浜市東部工業用地企業分譲状況


表4-10 多喜浜塩田の年表

表4-10 多喜浜塩田の年表