データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛県史 地誌Ⅰ(総論)(昭和58年3月31日発行)

一 耕地整理と土地改良

 耕地整理法の変遷 

 日本の耕地整理は、ドイツ諸邦で行われていた耕地整理を導入したといわれ、立法もプロイセン・ウェルテムベルヒ・バイエルン・バーデンなどの耕地整理法を参考とした。明治三二年(一八九九)耕地整理法(所謂旧法)が制定された。その主な目的は「耕地ノ利用ヲ増進スル目的ヲ以テ其ノ所有者共同シテ土地ノ変換若クワ分合、区画形状ノ変更及道路、畦畔若クワ溝渠ノ変更廃置ヲ謂フ」ことにあった。ついで明治三八年(一九〇五)の改正では灌漑排水設備の改良が追加され、明治四二年(一九〇九)には開墾、地目変換などが加えられて、単に区画整理ではなく、灌漑排水設備の改良を中心とした法律に全面改正された。これがいわゆる新法とよばれるものであったが、法人格をもつ耕地整理組合の制度も作られた。組合は地域内の土地所有者の二分の一の賛成によって設立することができ、その設立認可と監督権は地方行政官庁となった。新法は、埋立地や干拓地における耕地整理をはじめ、相ついで改正をみたものの基本は変化されず、昭和二四年の土地改良法に受けつがれた。この間に全国で行われた耕地整理は約一〇〇万haにも及んだ。