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愛媛県史 地誌Ⅰ(総論)(昭和58年3月31日発行)

1 気候因子

 愛媛の気候の地理的分布を支配し、比較的永続的な影響を気候の分布に与える要因についてのべてみよう。気候は大気現象であるから大気や地表面の熱収支、放射収支、水収支、大気の運動、安定度、大気中の水蒸気、エエロゾル、雲、降水、各種の大気の擾乱、大気の電気や光学現象などの、大気のさまざまな物理過程によって気候のしくみが組立てられている。このような大気の物理過程を通し、気候の地域的特性がきまる。
 気候形成に影響する地域に個有の物理的諸条件を気候因子といい、地形・位置・植生・地表被覆・水陸分布・海抜高度などがあげられる。ここでは数㎞から一〇〇〇㎞の水平的広がりをもつ中気候的立場から、県内の気候因子として水陸分布・地形・地表被覆・海抜高度をとりあげ、海岸、盆地、都市の気候についてそのしくみをみることとする。