データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

愛媛のくらし(平成10年度)

第1節 子の成長を喜ぶ

 本節では、ふるさと愛媛の中でくらしてきた人の一生(*1)のうち、子生み・子育てと成人の儀礼を主に取り上げ、新しいいのちを育ててきた、母親や助産婦の祈りにも似た願いや、仲間と共に社会人として成長していく青年たちの姿を探った。なお、調査は、越智(おち)郡伯方(はかた)町と南宇和郡一本松(いっぽんまつ)町で重点的に行い、また伝統的な風習の大きく変容していく以前の昭和3、40年代までを中心に取り上げた。
 「1 新しいいのちを祝う」では、出産の予祝から誕生、初宮参りまでを取り上げた。また、松山市・越智郡大三島町・南宇和郡城辺(じょうへん)町での助産婦の活動を追った。
 「2 健やかな成育を願う」では、初節句の祝いや、幼児から少年少女に至る成長の折り目の祝いに込められた人々の思いや喜びを探った。また、八幡浜(やわたはま)市真穴(まあな)の座敷雛(ざしきびな)を取り上げた。
 「3 社会へ旅立つ」では、伯方町北浦(きたうら)と一本松町増田(ますだ)において、地域社会と深くかかわりながら成長していく青年たちの姿を追った。


*1:日本の過去の社会では、人の一生を零歳から満1歳までを乳児期、1歳から7歳までを幼児期、7歳から14歳までを少
  年少女期、15歳を男の一人前、女は13歳ころ初潮のあるころを一人前、15歳から結婚まで青年期、以後壮年期、60歳から
  を老年期と見ていた(①)。