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愛媛の技と匠(平成9年度)

はじめに

 この報告書は、平成9年度の地域文化調査研究活動の成果をとりまとめたものです。
 平成3年度から7年度までの5か年は、各年度ごとに調査地域を選定し、そこに展開される人々のくらし-生活文化-の調査を続けてきました。そこで、平成8年度からは視点を変え、各年度ごとにテーマを設定して、広く県下全域を視野に入れることとし、昨年度の「愛媛の景観」に引き続き、今年度は「愛媛の技と匠」をテーマに調査を実施しました。
 今回調査対象となった伝統産業や特産品生産、あるいは昔ながらの諸職は、近年の生活様式の変化や産地間競争の激化、後継者不足などにより、その基盤が揺らいできております。そのような中で、伝統技術を今に伝え、愛媛の産業と技術を支えてこられた方々の生活文化に学ぶことにより、これからの愛媛の新たな発展の方向を探ろうとしました。
 本県においては、生活優先、文化重視の基本理念のもとに、潤いと活力のある愛媛づくりを強力に推進しており、その重要施策の一つとして、生涯学習の普及と成果の活用に取り組んでおります。このため、調査にあたっては、県民の皆様一人一人が、あらためて郷土愛媛に目を向けられ、愛媛らしさを発見・再確認していただけるよう、だれでも気軽に行える聞き取り調査など、現地調査に重点をおいて、郷土調査方法の確立にも努めました。
 調査は、対象地域を幅広く、また、学際的に取り上げましたので、統一性や掘り下げ方が不十分な点もあるかと思いますが、それぞれの地域のすばらしさとそこで培われてきた生活文化の重みを感じていただき、さまざまな場で本書を御活用いただければ幸いです。
 終わりになりましたが、調査に御協力いただいた皆様方に改めて厚くお礼を申し上げます。

 平成10年3月
                           愛媛県生涯学習センター