データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

臨海都市圏の生活文化(平成7年度)

第2節 工都新居浜と四阪島のくらし

 本節は、別子(べっし)の銅を背景に、住友(*1)とともに発展してきた工都新居浜の素顔を、それを支えて昭和を生き抜いた新居浜市民と四阪(しさか)島民(越智郡宮窪町)のくらしを通じて明らかにし、新居浜の昨日、今日、明日を考えようとするものである。
 「1 太鼓台、海を行く」では、新居浜太鼓祭りの船御幸(ふなみゆき)(*2)に焦点を当てて、海と深くかかわって生きてきた新居浜市民の熱い思いと巨大なエネルギーをさぐろうとした。
 「2 海に伸びるまち」では、新居浜港の成立と発展、臨海工業地帯の形成と繁栄、技術革新などに焦点を当てて、躍動する新居浜のダイナミックな姿をとらえようとした。
 「3 製錬所の島」では、明治38年(1905年)の操業開始から、昭和51年(1976年)末の製錬停止まで、71年間銅製錬の火をともし続けてきた四阪島を取り上げて、全島が一つの家族という雰囲気の中で溶鉱炉とともに生きてきた人々のくらしぶりや、製錬停止によって島を去っていく人々の姿を、記録にとどめようとした。
 「4 次代に向けて」では、お手玉や銅による市の活性化の現状を紹介しながら、21世紀を担う世代に市の将来を託そうとする姿を追ってみた。


*1:今回の聞き取りでは、多くの人から、「住友さん」という言葉が聞かれ、「企業城下町新居浜」の感を深くしたが、本書
  では「さん」は省略し、単に「住友」と記すことにする。
*2:「みゆき」については、文献により、「御幸」、「神幸」、「行幸」などの文字が用いられているが、本書では「御幸」
  に統一することにする。