第１章　海と港に生きる

　愛媛県の生活文化は、古代から今日まで、西日本の大動脈である瀬戸内海と経済的、社会的、文化的に深いかかわりをもって営まれてきた。本章では、瀬戸内海を舞台に海運業や旅客航路を支え、海上交通に生きてきた人々の歩みと、海の玄関口の役割を果たしてきた港町のくらしを取り上げ、臨海都市圏における生活文化の営みを明らかにしようとした。