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臨海都市圏の生活文化(平成7年度)

3 日常生活に対する意識

(1)くらし向き

 10年前、現在、将来のそれぞれの「くらし向き」についての意識から「くらし向き指数」を求め、他の4地域と比較してみた。「臨海都市圏」は、「10年前」では最も高い値(5.3)を示し、「現在」も『瀬戸内の島々』(7.2)に次いで高い(7.0)が、「将来」の値(-10.5)は『県境山間部』(-12.5)に次いで2番目に低い結果となった(図表11参照)。
 すでに過疎化・高齢化などの問題に直面している他の地域に比べると、「臨海都市圏」は、これまではそのような問題に対する意識が低かったが、将来に対する不安は同じように高いことを示している。また、「10年前」「現在」「将来」を総合すると、わずかな差ではあるが、『瀬戸内の島々』が相対的に楽観的な結果を示しているのは、海洋性のおおらかさと関連がありそうで興味深い。
 市町村別に比較してみると、ほとんどの市町村で現在に比べて将来のくらし向きが苦しくなると考えているが、「地域の魅力指数」の高かった朝倉村(地域の魅力37.9/住みよさ47.3)と波方町(35.0/39.0)の2町村は、他の市町村に比べて相対的に楽観的であることが読み取れる(図表12参照)。また、「住みよさ指数」の高かった、今治市(住みよさ57.3)、松山市(53.1)、土居町(51.0)の3市町の場合は、松山市や土居町では将来苦しくなると考えているのに対して、本四架橋による西瀬戸自動車道の開通を控える今治市ではやや楽観的であり、対照的である。

(2)満足度

 満足度指数〔生活全般〕を算出し、他の4地域と比較してみると、「臨海都市圏」の値(9.7)は、最も高い『河川流域』(13.6)と最も低い『県境山間部』(6.1)の中間に位置し、平均的な県民の姿を反映していると言える(図表13参照)。
 また、生活全般以外の13項目の満足度指数をみると、「家庭の人間関係」(36.4)、「自然環境」(25.1)、「住宅」(21.0)などが高く、「収入」(-9.9)、「教育文化施設」(-9.5)、「交通」(-6.5)、「保健医療施設」(-3.3)の4項目がマイナスの値になっている(図表14参照)。
 さらに、住みよさ(図表5参照)の回答別に、①「住みよい(++と+)」(63.3%)、②「普通(±)」(29.6%)、③「住みにくい(-と--)」(7.0%)の3グループにわけ、14項目の満足度のとクロス集計した結果、住みよさに不満を感じている③グループでは、「住宅」「保健医療施設」「生活全般」「地域の人間関係」「交通」の5項目で満足度指数がとくに低くなっていることがわかった(図表14参照)。住みよい地域作りのためには、これらの要因の充実が重要であることを、この結果は示唆していると思われる。

図表11 くらし向き指数(地域別)

図表11 くらし向き指数(地域別)


図表12 くらし向きの変化(地域別・市町村別)

図表12 くらし向きの変化(地域別・市町村別)


図表13 満足度指数〔生活全般〕(地域別)

図表13 満足度指数〔生活全般〕(地域別)


図表14 満足度指数(住みよさの程度別)

図表14 満足度指数(住みよさの程度別)