データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

◇活動後の期待

 以上のような活動を、年間を通して行っており、活動に参加した子供たちは、見過ごしていた自然を再認識したり、いままで知らなかったものを発見したりして喜んでいます。私自身も、これに参加することによって、自然を守っていくことの大切さを勉強することができました。毎年継続してきているこの「いかざき自然ウォッチング」に、たくさんの子供が参加してくれればくれるほど、小田川を中心としたふるさとの自然が、ますます大切にされていくであろうと考えます。しかし、参加人数にどうしても限りがあることなど、運営していくためにはまだまだ問題点もありますが、今の社会情勢を考えると、子供たちよりも、まず、大人たちが環境についてもっと学び、快適さだけを追求していく生活様式から、少しの不便さは受忍してでも、自然と共存していく生活様式へと転換していくこと、そして、今以上に環境保全を推し進めていくことが、最も重要であり、急務ではないかと私は思います。
 内子町大瀬出身のノーベル文学賞作家である大江健三郎氏は、ふるさとについて、「大瀬を離れて時がたつにつれて、また外国文学との関わりが深まるにつれて、僕はあらためてこの風土の意味を理解したと思う。それを生涯忘れることはないとも思う。」と述べています。
 この「いかざき自然ウォッチング」に参加してくれた子供たちが、将来、この豊かな自然に囲まれたふるさとを誇りに思い、大切にする人間に育ってくれること、そしてふるさとを離れても、この小田川の自然を忘れないでいてくれることを期待したいと思います。
 ありがとうございました。