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わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

◇いまの子供たち

 現在の子供たちの生活や遊びは、屋内中心であり、せっかく外に出ても、ルールで制約されるスポーツとか、遊具で遊ぶ程度で、一昔前のように、野山や河原で自由に遊びまわる姿を見かけなくなりました。この子供たちの遊びにおける変化は、時代の流れというよりは、むしろ親を始め、子供を取り巻く大人たちが、子供の環境から危険なものをどんどん取り除いていってしまい、つくりあげてしまったものではないかと思います。その原因はともかくとして、この五十崎町には、せっかく小田川を中心とした豊かな自然が目の前にありながら、現在のままでは、子供たちはその自然からどんどん遠ざかっています。子供たちが創造性や感受性の豊かな、ふるさとの自然を愛する人に育ってもらいたいという願望を持つ者としては、この現実に少し不安を感じます。こういった現状を憂(うれ)い、平成7年度より五十崎町中央公民館では、子供向けの活動として、「いかざき自然ウォッチング」が行われるようになりました。
 「いかざき自然ウォッチング」とは、町内の小中学生を対象として、自分自身の視覚、聴覚、嗅(きゅう)覚、味覚、触覚の五感をフルに使い、小田川を始め、この町の自然に触れ楽しむことにより、動植物との共生や環境について考えるきっかけにしてもらうことを目的として、年間10回程度、第2、第4土曜日を利用して実施されている公民館の行事です。私は、この行事の目的に共感を持ち、また自分自身の好奇心もそそられて、運営のボランティアスタッフにいれていただいています。