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わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

◇はじめに

守谷
 皆さんこんにちは。8月最後の日曜日に、こんなにたくさんの人がお集まりくださいまして、心より御礼申し上げます。
 今日は森下先生という、世界の川について造けいの深い素晴らしい先生をお招きしておりますので、ここに来られた人は、きっとたくさんのおみやげを持って帰られるのではないかと考えております。
 さて、最初にこの愛媛学の趣旨について説明したいと思います。まず、愛媛学という言葉には、学問の学がついていまして、嫌だなあと思われる人がおられるかもしれませんが、実は、皆さんにより身近なお話を対象としておりまして、五十崎(いかざき)学とかいうふうに考えてもよろしいのです。そして、今日お集まりの皆さんには、生活者の目線で、アマチュアとして、この話し合いの仲間に入っていただきたいと思います。
 ただし、専門家という目線も必要でありまして、その専門家の目線では、生活者の気がつかないことが見えてきたりするわけですが、そういう生活者と専門家との目線の違いが埋まり、違いが分かるようになるといったあたりが、本日の愛媛学セミナーの趣旨だと思います。そして、私自身は、皆さんと専門家をつなぐ橋渡しをする仲人みたいな役割だと考えております。
 今日のセミナーは、第一段は森下先生と私の対談講演ということで、二人の楽しいおしゃべりを聞いていただき、第二段では、地元代表の4名の方々と共にさらに話を進めていくというスケジュールになっております。
 まず、森下先生の御紹介をさせていただきます。
 森下先生は、今日初めて小田川に来られたのではなくて、昭和30年代から小田川を見守ってくれている専門家のお一人として、この40年間に20回以上、こちらに来られています。今の小田川とずいぶん違っていたころから、この小田川をしっかりと見守っている専門家がいたのだということに、私は驚きました。また、森下先生は、アマゾン川も、20回以上調査に出掛けられています。アマゾン川といえば、全長6,000kmといいますから、日本の端から端までの約3倍もあります。また、全長約6,000kmのミシシッピ川にも20回以上行かれています。そして、今年(平成10年)氾濫(はんらん)を起こしています長江にも20回以上行かれていますし、それ以外の中国の川にもたくさん行かれて、調査を進められています。
 このように世界的なスケールで川を比較され、川について非常に素晴らしいデータをお持ちの森下先生に、分かりやすくお話をしていただけるという楽しい日です。聞き耳を立ててお話を聞いて、小田川について、皆さんと共に考えていきたいと思っております。それでは森下先生、よろしくお願いいたします。