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わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

◇鬼頭の役割

 伊曽乃神社の祭りを語るのに忘れてはならないものに、御神輿の警護やだんじりの運行に大きな役割を持ち、祭礼を取り仕切る鬼頭があります。このごろは、鬼頭の方は鬼の面をかけていない方もいると思うのですが、本来は鬼頭ですから、鬼の面を背中へつけていました。その上に、御神輿の係の鬼頭は赤筋のたすき、屋台の係の鬼頭は青筋のたすきをかけているのです。御神輿の係が12名、屋台の係が19名、総勢31名の鬼頭が2日間、朝早くから夜遅くまで、祭礼の終わりを示す煙火の合図があがるまで、休むことなく奉仕する姿には、誠に頭の下がる思いがいたします。
 平成5年には、「西条祭り」が無形民俗文化財として市の指定を受けましたが、この指定理由の中で、西条祭りの特徴を「祭礼の形式が、神輿の運行を中心として」とありました。また、西条祭りは、イベント的な性格のものではなく、本来村落単位の祭りが全市的に広がり、老若男女が一つになったもので、祭りを楽しみながら、一方では文化財という意識を持って、大事に保存しながら次の世代へ継承していこうという気持ちが、現在の100台余りのだんじりやみこしの数につながってきたのだということを、私たちは誇りに思っています。