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わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

◇桜の馬場のだんじり練り

 次に、石岡神社のだんじりの見せ場であります、宮出しや宮入りの時の桜の馬場の練りについてお話をしようと思います。
 宮出しのときは、各だんじりは神殿前の御神輿の前で神に挨拶(あいさつ)したあと、次々に境内の桜の馬場に集まるのです。そして、そこに集まった27台のだんじりやみこしが自由に馬場へ出まして、所狭しとかき比べをするわけです。中には、2、3台が並んで行進したり、差し上げたりして、いろいろな見せ場をつくっており、これはどこにもないものだと思います。
 宮入りのときは、最後の巡行を終えただんじりが次々と、朝の宮出しの時のように、桜の馬場に帰ってきて、御神輿も一緒になってかき比べをするのです。
 これは自分たちだけが喜ぶのではなくて、見ている人にも感動を与えると思います。また、そのように、全部のだんじりが桜の馬場へ出て、多くの見せ場をつくるというようなことで、観光客も最近では増加しているのではないかというふうに考えています。
 以前は、「桜の馬場へ入る場合には、車をはずせ。」といっていたのですが、だんじりを新調しますと、彫りの深い素晴らしい彫刻に飾られただんじりとなって、そのぶん重くなってしまい、「車をはずして馬場に入っても、重くてかけない。」ということで、車をつけたまま馬場に入るだんじりもあったりしまして、練りに制約を受ける状態が続いていました。しかし、そのうちに、車をつけたものは、はずしたものに比べて、練りが単調になるなどのレベルの差がでてきまして、最近では、ほとんどのだんじりが車をはずして馬場へ出て行くようになり、練りが一段と盛んになったように思われます。
 それから、平成7年度に、小神輿の新調をしました時に、女の人にも祭りの出番をつくろうじゃないかということで、その神事に小神輿を女性にかいてもらいました。その時は、皆さん方もこの女性みこし衆に関心を持たれ、好評を得たように思っております。