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わがふるさとと愛媛学Ⅵ ~平成10年度 愛媛学セミナー集録~

はじめに

 現代は、多様な価値観を持つ個性化の時代と言われ、自分らしい自信のある生き方が求められるようになってきました。
 また、心の豊かさや生きがいを求めた生涯学習の大切さも認識されるようになり、自分らしさを知るために、ふるさとのことをもっとよく知ろうとする「地域学」が注目されるようになってきました。
 そこで当センターでは、平成3年度から、県民の皆様一人一人が、気軽に参加し、地域の文化を見つめ直し、もう一度、ふるさと愛媛の「よさ」や「らしさ」を再認識していただけるよう、アマチュアの素朴な探究心を大切にした新しい地域学「愛媛学」を提唱して参りました。
 その一環として、より多くの県民の皆様方に「愛媛学」を理解していただくために、今年度も、県内3会場で「愛媛学セミナー」を、また当センターで「愛媛学卜一キング」を、それぞれ開催いたしました。
 「愛媛学セミナー」では、「わがふるさとと愛媛学」という統一テーマのもと、より身近に感じていただけるように、「無形民俗文化財・西条祭りが彩るふるさとのくらし」(西条市)、「街道が結ぶ川内のくらし」(川内町)、「小田川の自然と五十崎のくらし」(五十崎町)と、それぞれの地域の特色を生かしたサブテーマを設けて、ふるさとの再発見を試みました。
 「愛媛学トーキング」では、「愛媛の技と匠」というテーマで、岩井宏實さん(帝塚山大学教養学部教授)の講演や、県の伝統産業や職人技に関するいろいろな取り組みをされておられる方々の活動の発表などを通して、「愛媛学」を考えてみました。
 本書はその集録であり、県民の皆様に「愛媛学」の趣旨を十分に理解していただき、生涯学習の一環としての地域研究の楽しさを味わっていただきたいと願って発行するものです。県民の皆様が、それぞれの立場や感性で、すばらしい郷土愛媛について調べたり考えたりするきっかけとして、本書を広く御活用いただければ幸いです。

   平成11年3月
                                           愛媛県生涯学習センター