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わがふるさとと愛媛学Ⅳ ~平成8年度 愛媛学セミナー集録~

はじめに

 近年、地域の時代と言われるようになり、中央とは違った地域らしさ、自分らしさが求められるようになっております。
 この、「らしさ」を出すためには、身の回りの風土を知り、誇りを持つことが大切です。そして、そこに至る一つの方法としてお年寄りの知恵やそこに住む人たちの記憶や知識を中心に、生涯学習の一環として地域のことを学ぶ新しい「地域学」が注目されるようになりました。
 そこで当センターでは、平成3年の開館以来、県民の皆様が、郷土の良さや地域らしさを、もう一度見つめ直していただけるよう、だれでも気軽に取り組める、アマチュアの素朴な探究心を大切にした「愛媛学」を提唱して参りました。
 その一環として、より多くの県民の皆様に「愛媛学」を理解していただくために、今年度も、県内3会場で「愛媛学セミナー」を、また当センターで「愛媛学卜一キング」を、それぞれ開催いたしました。
 「愛媛学セミナー」では、「わがふるさとと愛媛学」という統一テーマのもと、より親しみを感じていただけるように、「みちと歩む文化の里・小松」(小松町)、「風早のくらしと文化」(北条市)、「文化薫る宇和のくらし」(宇和町)と、それぞれの地域の個性を生かしたサブテーマを設けて、ふるさとの再発見を試みました。
 「愛媛学トーキング」では、「私の愛媛学」というテーマで、神崎宣武さん(国立民族学博物館共同研究員)の講演や、地域に根ざした地道な研究を続けておられる方々のユニークな活動の発表などを通して、「愛媛学」の発展の方向を探りました。
 本書はその集録であり、県民の皆様に「愛媛学」の趣旨を十分に理解していただき、生涯学習や地域研究の楽しさを味わっていただきたいと願って発行するものです。県民の皆様が、それぞれの立場や感性で、すばらしい郷土愛媛について調べたり考えたりするきっかけとして、本書を広く御活用いただければ幸いです。

   平成9年3月
                                            愛媛県生涯学習センター