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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇民家から理解される日本人の精神、そして技術②

 写真14は文化財でもなんでもありません。野村(のむら)町(東宇和郡)惣川(そうがわ)にあります土居家(どいけ)です。今、皆さんが見ている家の長さがだいたい24m。奥行きが11m。屋根の高さが12m。大黒柱(写真15)は太さ52cm、一升瓶と比べていただいたらわかると思います。普通は、このあたりの農家の大黒柱が1尺(約30cm)ぐらいですので、この家は、何もかも大きく作られています。それが昔、「山奥組(やまおくぐみ)」と言われた惣川の土地の一番高い所にポツンとあるんです。単純で明快と言いますか、その村で庄屋としての権力を象徴するという、家がそのこと自身を語っているのです。幸いなことに、これは来年度からの農山村振興事業で、村の交流施設として、なんとか活用されるようになり、命永らえたと言いますか、新しい形でこの村に生きることになりました。
 以前から私はこれをなんとか保存したいと思いまして、いろいろ仕掛けをしました。ちょうど4年ほど前にドイツからお客さんが来た時に、野村町惣川にホームステイをしてもらって、そのドイツ人が、この惣川の土居家を見てびっくりする姿を町長に見てもらい、「そんな大事なものか。」と言ってもらえるんじゃないかと考えて、実行してみたのです。しかし、ドイツ人は驚きませんでした。そのわけを次にお話します。


写真14 土居家

写真14 土居家


写真15 土居家の大黒柱

写真15 土居家の大黒柱