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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇各地に埋もれている民家②

 松木家の座敷(写真9)は非常に珍しいもので、床の間の横は普通違い棚なんですけれども、ここは1間(けん)分全部が開口部になって、そこから庭が見えるという設計になっているんです。そして床の間と違い棚の境に、三日月模様に彫られたものがあって、このようにして内と外がつながっているのです。内と外がつながっているという建物は、日本特有のものです。これが西洋にいきますと、内と外は厚い壁で遮断される。それが人間に影響を与えて生活スタイルが変わってくるわけです。
 障子(しょうじ)を閉じます。障子というのは、非常に日本的なものです。物理的には紙一枚ですが、閉じますとその中を侵さない。しかし中にいながら、外の四季の移ろいとか、様子がわかるという、非常に精神性の高い間仕切(まじき)りです。アメリカなどの建築雑誌が、障子の良さを見直そうと取り上げてきている。逆に日本の生活の中からは、障子がだんだん消えていっている。そういう逆の動きがあるんです。


写真9 松木家座敷

写真9 松木家座敷