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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成7年度 愛媛学セミナー集録~

□愛媛の民家-地方にこその文化-(犬伏 武彦)

 失礼します。江戸時代、あるいは明治時代の民家を訪ねていくという研究をしております。本日は、愛媛県に残っている美しい民家のスライドを見ながら、説明させていただきたいと思います。
 私は愛媛学を、この会に来る前にどう理解したかと言いますと、愛媛にしかないもの、その良さを発見していくことではないか、そしてその一つに、町並みとか家があると思うのです。と言いますのは、家というのは、時代を問わず、また国を問わず、だれもが体験し得る空間でありますし、また日常生活の中で身近に接することができる最大の大きさのものです。だから、一番印象を受けやすく、家を見るとその土地の雰囲気がわかる。このような意味で家は非常に大切だと思うのです。幸いにも、愛媛県にはたくさんの民家が残っておりまして、これは東京や大阪の大都市と比べて、誇れる文化の一つです。地方の大きな文化遺産であります。しかし、必ずしもそのような民家が残っていくとは限らない、失われつつあるというのが現実でもあります。
 今日は、スライドで民家の価値とか面白さをお話ししたいと思います。