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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇俵津文楽の特色

 特に女の方はまじめでございますので、御婦人が入ってやっていただきますと、そういった波及効果が、男性にも及んでまいりまして、活発な活動をしております。ただ一つ女の方の欠点は、未知の世界には大変臆病なようでございまして、きちょうめんで練習は一生懸命されて、自分の練習した頭や人形は持っていただけるのですが、「ここに今日は一人来ていないから、ここを遣ってくれ」といったことでお願いしても、なかなか御婦人の方は遣ってくれません。とにかく、御婦人の方はまじめです。女性に加入していただいて本当に良かったなと、つくづく思っております。
 人形の衣装も、すべて昔の古い衣装を、手作りの新しい衣装に取り替えております。昔の衣装は、生地がビロードを多く使っておりますので、大変重いということで新調しまして、今ごろの軽い新しい衣装に切り換えております。これも女性の大きな力であります。
 このように、俵津文楽の一番の特徴は、女性が中心になって活動していることではないかと思っております。
 現在練習は、テレビによって行っております。映像文化が発達してきておりますので、大阪文楽はテレビで放映されております。そのテレビを見ながら練習を重ねて芸の向上につなげております。しかし、映像で芸を見て参考にすることができるという安易な練習は、十分注意しなければならないと思っております。それは、人形芝居のすべてが大阪文楽化されてしまうということです。私たちは今、昔の、本当に民衆のなかから生まれた淡路人形の良いところを保存していかなければいけない。土のにおいのする淡路系の人形の良さを、どのように後世に伝承していったらよいか、今大きな課題の一つになっております。