データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇海とロマンの町づくり

 最後に、「海とロマンの町づくり」ということが今日のテーマでありますので、これについてお話をします。
 平成5年度に、伊予市の町づくりマスタープランを作ろうということで、伊予市商業協同組合で、伊予市町づくり推進委員会を設置し、一般市民、建築家の参加も得て、様々な講師をお招きし研究会を行いました。そして、伊予市の個性、独自性というのは、どこにあるだろうか、というようなことを勉強してまいりました。伊予市にはいろんなものがある、山もある、海もある。いろんな物があり、けっこう不足していないんだけれども、それでは何なのだろうと考えた時に、これは今日も伊予市八景の中に五色浜が取り上げられましたけれども、やはり海だなということになりました。海がある。そして、海とこの町の歴史だと。それに加えて、ロマンであろうということで、海と歴史とロマンというふうに大筋が固まりました。そして、それをもう少し絞り込みまして、歴史はロマンの中に吸収して考えようということで、「海とロマンの町、伊予市」というキャッチフレーズが生まれました。
 今年になって、「海とロマンの町、伊予市」町づくり委員会として活動を継続していくことになりました。この伊予市の町づくりに関心を持つ方を増やしていく、仲間を作っていき、そして、「海とロマンの町、伊予市」のキャッチフレーズの広報、PRを行っていこう。また、伝統的建築物の保全と活用をPRしよう。すでに本通り沿いにありますが、水先案内板を設置してこの数を増やしていこう。こういうふうな活動を、現在、展開しているところでございます。
 わたし自身、このような活動を通して、我が町、伊予市に対する見方が変わってまいりました。以前は、湊町、本通り辺りを見ても、単に古い家が並んでいるなという程度の認識でしたが、この郡中の町は、寛永13年(1636年)に、上灘の商人、宮内九右衛門、清兵衛兄弟が私財を投じて開発した町であり、それも松山のような城下町ではなく、町方衆の町として発展したということがわかりました。
 また、今日のテーマの港について言えば、港を中心に、商人が繁栄を極めたということもわかってまいりました。さらに、その繁栄の礎となった内港、萬安港の建設が、先ほど山本先生も言われましたように、岡文四郎、豊川市兵衛というような下級武士や町人が、大変な努力をして、これを築いたという話にロマンを感じました。
 さらに、明治27年(1894年)、今から約100年前に、南予鉄道という私鉄を郡中の商人が、郡中から松山(今の藤原町)まで建設をしました。これは、現在の伊予鉄道(郡中線)ですが、そういう話を聞いて、これはびっくりいたしました。わたしも外へ出まして思うのは、私鉄とJRが両方あって、その両方の便利さを味わえるような地方都市というのは、全国、そうたくさんはありません。伊予市は、そういう町なのですが、その我が郡中の先輩たちが、これを松山まで伸ばしてやろう、さらには、八幡浜の方にまで伸ばしてやろうという気概を持って取り組んでいったということを聞いて、わたしは自分の町に自信と誇りを持ってまいりました。
 このような繁栄を誇ったこの郡中の町ですけれども、その名残が、その灘町から湊町にかけての歴史的な町家であります。わたしたちは、これを調査・保存の対象とすべきだと考えておりますし、平成6年には市議会でも採択を受けております。ぜひとも本格的な調査に乗り出していただきたいと思います。
 歴史的な建築物の保存や町並みの整備は、今後、町づくりを進めていくうえでは、極めて重要な意味があると思います。新しいものを追うだけではなく、変わっていくべきものは何か、変わるべきでないものは何かを考えていくことが重要であります。この点で、反省すべきことがあるとすれば、皆様も御記憶にあると思いますけれども、昔、寿楽座と言う芝居小屋がありましたが、取り壊されました。これが今残っておれば、内子座よりも優れた建築物だと言われています。このようなことを繰り返してはならないと思います。町づくりというのは、地域住民が、我が町に誇りを持ち、歴史と文化、伝統に自信を持って、内外に情報を発信していくところからスタートするんだと思っております。郡中の伝統は、町方が頑張るところにあります。わたしたちの力で、この伊予市を内外にアピールしていきたいと思っております。わたしの会社では、今度新しいジャンボタクシーを2台入れますけれども、これに伊予市のイメージキャラクターである五色姫の絵を書いて「五色姫号」と名付けて、「海とロマンの町づくり」の宣伝もしていく予定でおります。
 個性的な町、伊予市を作るため、「海とロマンの町、伊予市」のキャッチフレーズを内外にアピールしたいと思っております。どうか皆様の御協力をお願いいたします。