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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇大山祇の神様は、稲の神様

 今日は、「大山祇の神様は、稲の神様である。」ということを申し上げます。大山祇神社では、御承知のように、旧暦の5月5日に「御田植祭」、9月9日には「抜穂(ぬきほ)祭」が取り行われます。
 普通は稲刈りと言いますから、「稲刈祭」でもいいはずだけれども、なぜ「抜穂祭」なのでしょうか。実は、この「抜き穂」という言葉に非常に重要な意味があります。
 現在は、1枚の田に植える稲の品種は同じですから、熟れるのが同じ時期なんです。ところが、古代の稲作では今のように品種が一定ではなく、まちまちなんです。だから、同じ1枚の田の中でも、穂が熟れる時期が違うわけです。それで、「穂刈り」と言ってもいいと思うんですけれども、田に入って熟れた穂から摘んでいくわけです。
 したがって、大山祇神社に「抜穂祭」という言葉が残っているということは、このあたりでは、稲作が最も古い時代の形のころから行われていたという証拠になるわけですから、非常に重要であります。