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わがふるさとと愛媛学Ⅲ ~平成 7年度 愛媛学セミナー集録~

◇檜皮葺きの屋根は花火が怖い

 檜皮(ひわだ)葺きの御殿というのは、御承知のように、檜(ひのき)の皮をはがしてこれを重ね、竹の釘(くぎ)で打ってあるわけです。ですから、火が屋根の上に乗りますと、ちょうどお灸(きゅう)のもぐさがジワジワッと燃えてくるようにして、最後に風が吹くとプッとそれに火がつきまして、大きな火事になるわけです。
 沼名前(ぬまくま)神社というのが、鞆(とも)(広島県福山市)にございます。実に残念でございましたけれども、今から20年ほど前に、この神社が火事で全焼しました(昭和50年〔1975年〕1月1日未明)。大晦日から初もうでにお参りになる人のために斎灯(さいとう)(お札やしめ縄を燃やす風習にあわせて焚(た)く火)を焚いていたわけです。たまたま風が吹いて燃えたカラが一つ、フワフワッと風に乗って拝殿の屋根に上に落ちた。ですから回りに人が大勢いたのですが、それでアレアレと言っているうちに、それが燃えていった。ところが、近くにはバケツの水ぐらいしかなく、元日の真夜中のことですから悪条件が重なり、消防車が来るころには、全焼してしまったという例もあります。
 とくに夏の間は、神社の回りでも花火がドンドン打ち上がります。ちょっと神経質なようですが、宝物を守るという立場から言えば、第二次世界大戦中にドイツ軍がロンドンに向けて打ち込んだV2ロケットみたいに、恐怖を感じているんです。これから島が開けていきますと、ますますその確率が高くなるので、余計怖いんです。
 立場が違うといろんな見方がございますが、大山祇神社も、宝物を守るという立場から、そういう心配もしたり、多少苦労もしているという宣伝をさせていただいたわけです。どうも失礼いたしました。