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わがふるさとと愛媛学   ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~

1 私と写真、佐田岬半島の人々との関わり

(1)カメラとの出会い

 私は小さいころに小児麻痺を患い、足が不自由になった関係から運動がだめで、学校時代は本をよく読んでいた。それを見て、高価であったにもかかわらず、姉からカメラを買ってもらったのが、最初の出会いである。

(2)写真との出会い

 本格的に撮影をするようになったのは、疎開で八幡浜に来られた新山清先生と出会って、直接指導を受けてからである。それにより、写真とはこんなにすばらしいものかと開眼した。
 先生の方法は、物によって物を語らせる即物主義であった。文学・芸術、いろんなものがあるが、完全に物を描写し、時代を克明に記録するのは、写真以外にない。それが写真の使命だと、はっきり言われた。

(3)佐田岬半島の人々との出会い

 カメラを買ってくれた姉が、佐田岬半島の突端の村に嫁いでいったことから、岬の人々を知るようになった。半島の人々の、本当に開け広げで、明るくて、人情豊かで、素朴な人柄に接して、これを自分のライフワークとして撮ろうという気持ちになった。