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わがふるさとと愛媛学   ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~

5 民謡の分類

 民謡の分類にはいろいろあるが、「メロディとかリズム」によって分けてみると、追分節系統と八木節系統の二つに分けることができる。追分節は一つの母音でずっと節を作っていくメリスマ的な歌が非常に多いのに対して、八木節はタルをたたいて賑やかで拍がはっきりしている。
 大三島の「ろこぎ歌」として残っているものは、前歌・本歌・後歌に分かれる追分節のうち前歌の崩れたもので、追分系統は、歌い手によって本当にいろいろに変えられていることが多い。
 タルをたたいて「♪さても一座の皆様方よ…」というのは、遊女サヨが歌う自分のふるさとの民謡の部分で、それに、渡辺源太郎という馬方が「♪アーアーアー」という馬方節をひっつけた。こうして、遊女サヨのふるさとの民謡と馬方節とが一緒になって、八木節ができたと伝えられている。八木節系の民謡は、原形のままで受け継がれていることが多い。