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宇和海と生活文化(平成4年度)

3 酒造りにかける技術者集団-伊方杜氏

 西宇和郡伊方町の伊方杜氏(いかたとうじ)は、越智郡大島の宮窪杜氏とともに、県内で二つしかない杜氏集団である。西宇和郡杜氏組合は、全国に23しかない杜氏組合の一つとして、伝統技術を現在に継承している。全国的には、寒造(かんづく)り(冬期出稼ぎ)に適合した越後(新潟)・越前(福井)・南部(岩手)等の東北・北陸の各地域と、灘・伊丹の全国的販路を持った大生産地のある兵庫県の丹波(たんば)・但馬(たじま)が、杜氏集団として有名であるが(図表4-2-6参照)、その中で、愛媛県は、広島・福岡等とともに西日本では有数の酒造従業者を出している。伊方杜氏は、宇和海沿岸を中心として、南予一帯と大分・宮崎・高知県の酒造業を支えてきた(図表4-2-7参照)。このような杜氏の人々の生活の変遷を、酒造りと関わる(宇和海沿岸の)地域社会の変化も視野に入れながら、以下にまとめてみた。

図表4-2-6 全国における酒造労働者の分布(平成2年)

図表4-2-6 全国における酒造労働者の分布(平成2年)

「伊方杜氏(⑥)」掲載の数値をもとに作成。

図表4-2-7① 伊方杜氏の働き先①昭和5年

図表4-2-7① 伊方杜氏の働き先①昭和5年

「伊方杜氏(⑥)」掲載の数値をもとに作成。

図表4-2-7② 伊方杜氏の働き先②平成3年

図表4-2-7② 伊方杜氏の働き先②平成3年

「伊方杜氏(⑥)」掲載の数値をもとに作成。