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えひめ、女性の生活誌(平成20年度)

(2)世界にはばたく

 ア 国際会議で発表

 「おもちゃ図書館の国際会議は3年に1回あります。ラッキーなことに平成11年(1999年)には東京であり、このグループから7人の仲間と一緒に参加しました。そこで、ローマ・リアさんというイギリスの手作りおもちゃの第一人者の女性と出会いました。当時76歳の方でした。指人形を持っていて、みんなに指人形をくれて、さりげなく遊び方を教えてくれるのです。その方の存在に私たちは希望を持ちました。
 平成14年(2002年)にはポルトガルで国際会議が開かれました。日本からの参加者は公募でしたが、指導してくださった香川県の方が『**さん、行ってらっしゃい。』と勧めてくださり、応募してポルトガルへ行きました。そこで私は、新居浜おもちゃ図書館の6年間の活動を報告しました。その準備を私の周囲のみんなが支援してくれました。英文の申込書があるのですが、それを書くのも英語の堪能(たんのう)な方々に助けてもらいました。発表は英語ですから、話す特訓も受けました。
 平成17年(2005年)には南アフリカへ行きました。南アフリカでは、エイズとか子どもの売春とか危険なことが多いので、子どもが学校から帰っておもちゃ図書館で遊ぶという環境づくりのため、また現地の女性が手作りおもちゃの作り方を習得してそれが収入につながるようにという願いもあって、ワークショップを行いました。日本から行った5人で南アフリカの女性20人に、手作りおもちゃのバナナとブドウを作る指導を3時間しました。この時、日本語を英語に、さらに地元のズールー語に通訳してコミュニケーションをとる経験をしました。日本でも講習会をしたら『先生、先生。』と声をかけてくれますが、南アフリカでも同じです。早くできたので私が『ナンバーワン、ナンバーワン。』と言うと、喜ばれるのです。3時間同じことをしたので、次の日会った時、あいさつして親しみが増したことを実感しました。
 実は今年(平成20年)10月9日に、パリでの国際会議に行くのです。今、泣きたいほど忙しいです。」

 イ おもちゃ図書館とともに

 「私たちは幸せです。皆さんに教えていただいて、これはいいと思うことをしてきたのです。障害のある子どもさんのために少しでも積み重ねていければと思います。おもちゃ図書館の活動は、『もしかして寝たきりとかで遊びに来られなくても、貸し出しを利用してもらう。障害のある子どもさんのための場があるのとないのとでは違う。』と思います。
 このグループの仲間は、新居浜市で本当にボランティアをしてくださる方々なのです。この方々と知り合ってもう13年になりました。この仲間とずっと活動してくることができました。私が『これ、どう。』と相談し、仲間が『いいよ。』と言ってくれたことは必ずやり遂げます。仲間が『だめ。』というのはやっぱりだめです。ボランティアは、仲間とだけでするのもすてきですが、広く社会とかかわっていくと、もっとすてきになってきます。それが私の幸せなのです。」