データベース『えひめの記憶』
えひめ、女性の生活誌(平成20年度)
第1節 主婦の生活維新
昭和31年(1956年)の経済白書に「もはや戦後ではない」と述べられたころから、日本経済は急速に成長するが、このころから家庭用電化製品が大量に普及し始め、家庭を支えた女性の生活も大きく変わっていった。それまでの節約を美徳とした時代から消費型の時代へ生活は大きく変わり、生活用品の大量生産、大量消費の時代に入った。この節では、第二次世界大戦後に登場した家電「三種の神器」をはじめとする各種電化製品やガス、水道の普及により、家庭を支えた女性の生活が一変していく様子について探った。
戦後の食料難の時期、女性たちは「タケノコ生活」と呼ばれる手持ちの衣類を農家や闇市で売り、食料に換える生活を送った。女性解放の動きは昭和20年から始まるが、同22年の新憲法施行、改正民法公布(施行は23年1月1日)、労働基準法の施行により法的に裏付けられることになった。25年ころには、各種女性団体の組織化も始まる。洋裁学校が全国的にでき、洋服が普及していくなか、20年代後半になると女性のファッションも解放的、活動的でおしゃれなものが流行する。昭和30年ころからは、家電「三種の神器」をはじめとする家電品が急速に普及し、女性たちの家庭での生活スタイルは大きく変わっていった(図表1-1-1参照)。