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えひめ、人とモノの流れ(平成19年度)

3 カラーホルダーに命運をかけて

 東温(とうおん)市西岡(にしおか)にある「新日本紙工株式会社(従業員32名、年商約4億円。」は昭和44年(1969年)に岩井凸版(とっぱん)印刷として創業(当時の所在地は松山(まつやま)市南久米(みなみくめ))した印刷会社である。
 しかし、昭和57年(1982年)に多額の債務が降りかかり倒産の危機にさらされる。そんな中、事業の命運をかけ、クリーニング業界に独自に考案した『カラーホルダー』の製造出荷を始めた。
 カラーホルダーとは、クリーニング店がワイシャツの仕上げに使う襟(えり)元に蝶(ちょう)ネクタイが印刷された紙製品である(写真4-2-9参照)。現在では蝶ネクタイの形がきれいに浮き出すタイプが主流となっているが、かつては印刷こそ蝶ネクタイでも、蝶の羽のところを半分に折って使うタイプしか流通しておらず、見栄えはあまり良くなかった。そのため同社のカラーホルダーは市場を席巻し、最盛期には全国で60%近くのシェアを獲得していく。以来、クリーニング業界用の印刷物に製造を特化し、業界が必要とする様々な商品の開発も手がけ、顧客からの信用を第一に事業を展開している。代表取締役社長の**さん(昭和15年生まれ)に、印刷業とのかかわりやこれまでの経緯について話を聞いた。


写真4-2-9 襟元のカラーホルダー

写真4-2-9 襟元のカラーホルダー

第3ボタンのところについているのがタック。平成19年10月撮影